▼ 正月早々、孫の幼稚園行事に参加するため、
東京へ行った。
この機会にと、
ショッピングモールでの買い物も楽しんだ。
家内が会計レジに並んでいる間のことだった。
スポーツ用品売場をブラブラ歩いていると、
何やら強い口調が聞こえてきた。
声の方に若干近寄り、様子をうかがった。
売場通路の一角で、客らしい同世代の男性と、
店員らしい若者が向き合っていた。
男性の言葉に店員は、何度も頭をさげ、
背中を丸くしていた。
何か店に手違いでもあったのだろう。
それに男性が怒り、店員は詫びている。
そう推測した。
家内の会計レジも長かったが、
2人のやり取りも長く続いた。
そしてついに、男性の怒鳴り声が大きくなった。
距離を置いていた私にもしっかりと聞こえた。
「君は、そんなことも分からんのか。
店員の資格がないじゃないか。
辞めてしまえ!」。
男性は、今にも店員の胸ぐらを、
つかむかのような勢いだ。
店員は、弱りきった表情で、
無言のまま再び深々と頭を下げた。
私には全く関わりのないことだが、
男性の激高に異常さを感じ、不快に思えた。
何とか怒りを収めてほしいと思いつつ、
その場をそっと離れるしかなかった。
▼ つい数日前のことだ。
『年と共に許容範囲が狭くなっているようだ。』
こんな書き出しの某ブログがあった。
筆者は、東京在住の方で、
きっと同世代だと思われる。
彼は、以前と違い怒りへの許容範囲が狭くなったと、
自戒を込めながら、事例を上げていた。
彼は怒っていた。
「歩きスマホ」「男のピアス」「女の鼻ピアス」
「若者のタトゥー」「男のポニーテール」が嫌いだと・・。
そして次に、
「連れの女のハンドバックを持つ男」、
「優先席(外国語でも記載がある)に平気で座る中国人」
と、都会での1コマに苛立つ。
さらに、自身の暮らしの周辺を取り上げる。
電話をかける。
すると「一寸お待ち下さい」のその後、
聞き慣れた音楽がくり返し流れる。
「こちらからかけ直します。」
電話口に長々と待たせるのなら、
「そんな気遣い位できないものか!」と・・。
1人で飲食店の暖簾をくぐる。
すかさず店員が近づいて訊く。
「何人様ですか。」
1人なのは見ればわかる。
なのに、いつもどこでもそう訊いてくる。
彼は無言で指を1本出しながら、不機嫌になる。
▼ 某ブログにある全ての怒りに同調した。
そして、つい私の日常にある怒りを思い出した。
これも、「年齢と共に」おとずれた感情に違いないと・・。
冬のランニングは、
もっぱら総合体育館のコースでと決めている。
館内では、多くの市民が、卓球やらバドミントン、
テニス、ウオーキングなどに汗を流している。
ほとんどがマイカーで体育館までくる。
駐車場は、止める所がなくなるのが常だ。
でも、歩いて5分もかからない駐車場は、
空きスペースがある。
なのにだ。
「入り口付近への駐車はご遠慮ください。」
そんな張り紙の前に、路駐する車が並ぶ。
張り紙に気づかないの?
それとも、「今日だけは大目に見て」と、
甘えているの?
好天に恵まれた冬の朝だ。
明るい陽差しに誘われ、久しぶりに散歩に出る。
深夜の降雪が、車道も歩道も真っ白にしていた。
私より先に、愛犬と一緒の足跡が続いている。
しばらくその後を追って進む。
すると、道路脇に新しい犬の糞がそのままあった。
もう、その後ろを歩く気になれず、道を変えた。
「街中ではないから・・」。
そんな緩いマナーで、ペットを飼っていいのか。
北海道は喫煙者率が高いと聞いた。
それに怒りなどはない。
それぞれの嗜好の問題だ。
しかし、子育て中のお母さんらしい方が、
運転中にくわえたばこをしていた。
これが、見苦しくてならない。
確かに、喫煙場所が限られている。
マイカーの車内で一服は、最良なのかも知れない。
時間に追われ、多忙な毎日での子育てだろう。
だが、たばこをくわえた運転は、
私の許容範囲を超えている。
つい、眉間にしわが寄ってしまう。
▼ ショッピングモールでの男性の激高も、
某ブログの筆者や私の許容範囲の狭さも、
年齢が招いていることと納得していた。
ところが、
友人・知人から届いた年賀状の1通が気になり、
読み返してみた。
毎年頂く大先輩からの今年の賀状に、
こんな言葉が並んでいた。
大目玉をくらった気持ちになった。
◎ 今回は 老いるショックの 特報便
≪今年中に92歳になるボクの生活報告です≫
◎ 腰痛に なりたくないと 背を伸ばし
≪「曲がったね」と、言われないように気を付けています≫
◎ 姿勢よく、してるつもりが、席立たれ
≪他人様の、温かい思いやりには、感謝です≫
◎ 教え子の「賀状遠慮」に また ショック
≪「80歳になったので」とのご挨拶を頂いたのでした≫
◎ ONE TEAM タピるもペイも 無縁です
≪どうしても、流行には、追い付けそうもありません≫
20年も先を行く方の暮らしぶりだ。
腰痛への日々の心得、席を譲られた落胆、
ショックと言いながら80歳からの「賀状遠慮」をなげき、
さらには、流行には無縁としながらも、
興味津々さがありありと伝わってきた。
『老いるショック』と言いつつ、
微塵も老け込んでいない。
怒りの沸点を下げたことを年齢のせいにし、
それに共感する私。
もう赤面するしかなくなってしまった。
冬の洞爺湖と
近持イオリ作「THE EARTH VIBRATION ーTOYAー」
東京へ行った。
この機会にと、
ショッピングモールでの買い物も楽しんだ。
家内が会計レジに並んでいる間のことだった。
スポーツ用品売場をブラブラ歩いていると、
何やら強い口調が聞こえてきた。
声の方に若干近寄り、様子をうかがった。
売場通路の一角で、客らしい同世代の男性と、
店員らしい若者が向き合っていた。
男性の言葉に店員は、何度も頭をさげ、
背中を丸くしていた。
何か店に手違いでもあったのだろう。
それに男性が怒り、店員は詫びている。
そう推測した。
家内の会計レジも長かったが、
2人のやり取りも長く続いた。
そしてついに、男性の怒鳴り声が大きくなった。
距離を置いていた私にもしっかりと聞こえた。
「君は、そんなことも分からんのか。
店員の資格がないじゃないか。
辞めてしまえ!」。
男性は、今にも店員の胸ぐらを、
つかむかのような勢いだ。
店員は、弱りきった表情で、
無言のまま再び深々と頭を下げた。
私には全く関わりのないことだが、
男性の激高に異常さを感じ、不快に思えた。
何とか怒りを収めてほしいと思いつつ、
その場をそっと離れるしかなかった。
▼ つい数日前のことだ。
『年と共に許容範囲が狭くなっているようだ。』
こんな書き出しの某ブログがあった。
筆者は、東京在住の方で、
きっと同世代だと思われる。
彼は、以前と違い怒りへの許容範囲が狭くなったと、
自戒を込めながら、事例を上げていた。
彼は怒っていた。
「歩きスマホ」「男のピアス」「女の鼻ピアス」
「若者のタトゥー」「男のポニーテール」が嫌いだと・・。
そして次に、
「連れの女のハンドバックを持つ男」、
「優先席(外国語でも記載がある)に平気で座る中国人」
と、都会での1コマに苛立つ。
さらに、自身の暮らしの周辺を取り上げる。
電話をかける。
すると「一寸お待ち下さい」のその後、
聞き慣れた音楽がくり返し流れる。
「こちらからかけ直します。」
電話口に長々と待たせるのなら、
「そんな気遣い位できないものか!」と・・。
1人で飲食店の暖簾をくぐる。
すかさず店員が近づいて訊く。
「何人様ですか。」
1人なのは見ればわかる。
なのに、いつもどこでもそう訊いてくる。
彼は無言で指を1本出しながら、不機嫌になる。
▼ 某ブログにある全ての怒りに同調した。
そして、つい私の日常にある怒りを思い出した。
これも、「年齢と共に」おとずれた感情に違いないと・・。
冬のランニングは、
もっぱら総合体育館のコースでと決めている。
館内では、多くの市民が、卓球やらバドミントン、
テニス、ウオーキングなどに汗を流している。
ほとんどがマイカーで体育館までくる。
駐車場は、止める所がなくなるのが常だ。
でも、歩いて5分もかからない駐車場は、
空きスペースがある。
なのにだ。
「入り口付近への駐車はご遠慮ください。」
そんな張り紙の前に、路駐する車が並ぶ。
張り紙に気づかないの?
それとも、「今日だけは大目に見て」と、
甘えているの?
好天に恵まれた冬の朝だ。
明るい陽差しに誘われ、久しぶりに散歩に出る。
深夜の降雪が、車道も歩道も真っ白にしていた。
私より先に、愛犬と一緒の足跡が続いている。
しばらくその後を追って進む。
すると、道路脇に新しい犬の糞がそのままあった。
もう、その後ろを歩く気になれず、道を変えた。
「街中ではないから・・」。
そんな緩いマナーで、ペットを飼っていいのか。
北海道は喫煙者率が高いと聞いた。
それに怒りなどはない。
それぞれの嗜好の問題だ。
しかし、子育て中のお母さんらしい方が、
運転中にくわえたばこをしていた。
これが、見苦しくてならない。
確かに、喫煙場所が限られている。
マイカーの車内で一服は、最良なのかも知れない。
時間に追われ、多忙な毎日での子育てだろう。
だが、たばこをくわえた運転は、
私の許容範囲を超えている。
つい、眉間にしわが寄ってしまう。
▼ ショッピングモールでの男性の激高も、
某ブログの筆者や私の許容範囲の狭さも、
年齢が招いていることと納得していた。
ところが、
友人・知人から届いた年賀状の1通が気になり、
読み返してみた。
毎年頂く大先輩からの今年の賀状に、
こんな言葉が並んでいた。
大目玉をくらった気持ちになった。
◎ 今回は 老いるショックの 特報便
≪今年中に92歳になるボクの生活報告です≫
◎ 腰痛に なりたくないと 背を伸ばし
≪「曲がったね」と、言われないように気を付けています≫
◎ 姿勢よく、してるつもりが、席立たれ
≪他人様の、温かい思いやりには、感謝です≫
◎ 教え子の「賀状遠慮」に また ショック
≪「80歳になったので」とのご挨拶を頂いたのでした≫
◎ ONE TEAM タピるもペイも 無縁です
≪どうしても、流行には、追い付けそうもありません≫
20年も先を行く方の暮らしぶりだ。
腰痛への日々の心得、席を譲られた落胆、
ショックと言いながら80歳からの「賀状遠慮」をなげき、
さらには、流行には無縁としながらも、
興味津々さがありありと伝わってきた。
『老いるショック』と言いつつ、
微塵も老け込んでいない。
怒りの沸点を下げたことを年齢のせいにし、
それに共感する私。
もう赤面するしかなくなってしまった。
冬の洞爺湖と
近持イオリ作「THE EARTH VIBRATION ーTOYAー」
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