奈良豆比古神社の翁舞 ① ~秋祭り宵宮の民俗芸能
奈良豆比古神社の翁舞(ならずひこじんじゃのおきなまい)は、奈良阪町に伝わる民俗芸能で国の重要無形民俗文化財に指定されている。
毎年、秋祭りの宵宮(10月8日夜)に奉納される。
奈良豆比古神社は意外と小さな社ではあるが、8Cに始まるとされる古い歴史の風格が漂っていた。
午後7時半過ぎ、当家がかがり火をつけ、神主を先頭に翁講一同が拝殿に進み着座、お払いのあと笛の吹き出しによって翁舞がはじまる。
まずは、「千歳の舞」(ちとせのまい)。
「千歳の舞」は13歳前後の少年(千歳)が演じるように決められている。
この日の演者くんも凛々しく、しっかりと勤め上げていた。
いよいよ、翁の登場である。
動画
<資料>
クリック 新日本風土記「奈良豆比古神社の翁舞」
国指定文化財等データベース(文化庁)より抜粋
まず毎年九月二十一日の夜に会合を開いて役割を決定する。翁を演じるのは六〇歳前後の者、千歳は一三歳ほどの少年、三番叟と小鼓【こつづみ】は青年の役で、地謡【じうたい】と大鼓【おおつづみ】、笛は年長者が担当する。九月二十三日から一週間は毎夜、練習し、十月四日には全講中が神社に集まり、拝殿でセイゾロエ(勢揃え)と呼ぶ総稽古を衣装をつけないで行う。翁舞当日は、夜八時ころ、衣装部屋から拝殿に掛けられた橋掛【はしが】かりを渡って神主、笛、小鼓、大鼓、地謡、ワキの翁、三番叟、千歳、翁の順で拝殿に出て着座する。全員の着座が終わると、笛が吹き出されて翁舞が始まり、一時間ほどで終わる。