正月風景 ~秋篠寺から平城京へ
初詣は近場で静かなところへというのが、我が家のトレンド。
ということで、久々に秋篠寺を訪ねて、伎芸天(ぎげいてん)を拝ませていただいた。
伎芸天像は国内でここ一体のみ。
天平時代の脱活乾漆造りだが、これは頭部のみであり、体部は鎌倉時代の木造で寄木造りの合体となる。
ただ、全体のバランスは、全く違和感がなく見事なプロポーションを誇る。
ギリシャ神話に出てくる芸術の女神「ミューズ」を思わせるところから、「東洋のミューズ」といわれている。
境内は緑濃き苔に覆われおり、冬枯れた周囲の風景から、突然、グリーンの別世界へ来たような気がする。
私のお気に入りのお寺のひとつで、特にハクモクレンのころがお勧めだ。
バックナンバー ハクモクレンの咲くころ
隣接する御霊神社。
そのあと、毎度定番の平城京へ。
凧の展示がお正月らしい。
「変わらぬ正月風景」と何年か前、記した記憶があるが、連れ出した両親の老いが進み、車椅子と歩行器姿となった。
以前とは明らかに変わってきた。
変わらぬことは不可避と知りつつも、変わらぬことを願う正月である。