明神池と池神社の伝説 ~下北山村 ③
紀伊山地奥の谷あいにある下北山村は、奈良県最南端に位置する人口約800人の小さな山村で奈良県といえど、三重県熊野市や尾鷲市が近い。
その下北山村の有名スポットが「不動七重の滝」、名湯「きなりの湯」と「明神池」をご神体とする「池神社」である。
谷あいの村なので、神社は低地の集落の中だと思いこんでいたが、龍神池を目指す国道425号線は、ぐんぐん山を上がっていくではないか。
やっと、登り切ったところで、神秘的な池が視界に飛び込んできた。
国道は池神社・本殿とご神体・明神池の間、つまりは境内を突っ切っており、そこからして不思議な光景だった。
池の畔に鳥居と祠がある。
当地には、こんな伝説がある。伝説と言っても、近年に何度も現出したそうだが。
明神池・池神社にまつわる<七つの不思議>
1 入る谷無し 出る川無しなのに決して涸れず、水位がひとりでに上昇することがある。
2 神社の前の道も聖域である。
3 池に石を投げると雷雨になる。
4 鯉や亀を殺(あや)めると死ぬ。
5 御神木を伐ると祟りがある。
6 吉兆の「浮木様(うきさま)」が現れる。
7 池の水神(すいじん)「白龍(はくりゅう)」が立ち登る。
(下北山村 公式HPより)
池には「浮木様(うきさま)」と呼ばれる御神木の梢の部分が流木となってときどき現れるそう。
4mくらいの大きさで真っ白で上に草が生えていて、亀が乗っているらしい。
この亀は「神様が遊びに出られた化身」で、吉兆のしるしとか「国家の一大事」のときに現れるとか言われている。
昔、豊臣秀吉は神社の御神木を伐ったというが、彼が住んでいた大坂城・落城のときには、浮木様が現れて、七日七晩、池の中を回り続けたともいわれている。
☆彡☆彡☆彡
・・・それって、もしかして、あれじゃあ!!??
池原ダムは総貯水容量3億3480万立方メートル、アーチダムとしては日本最大を誇る。
堤頂長460mもアーチダムとしては、黒部ダム(492.0 m)に次いで、国内で2番目の長さ。
広大な貯水池をいただく巨大な池原ダムの直下に下北山キャンプ場やスポーツ公園、温泉などがある。
下北山村はのんびり、ゆったりとしたムードが漂う美しい村だった。