野迫川村の雲海 ① ~高野辻からの青龍
高野山を南下したところに位置する野迫川村は奈良県の自治体の中で、もっとも人口の少ない小さな村。
平均標高700mの急峻な山々に囲まれた村内には、一年を通じて雲海出現率の高いスポットが点在している。
雲海を見るには夜明け前だと気合を入れて、午前1時に自宅を出発。
今回は五條市内から十津川方面に向かい、途中、大塔を越えたあたりから、高野方面にハンドルを切る。
真っ暗な狭路山道を抜けていくと、狸や鹿が道を横切る。
中には、車と並走するような大鹿まで現れて、虚ろだった目も次第に冴えてくる。
結局、暗闇のなか、目指す天狗木峠の雲海スポットを越えてしまったらしく、気が付くと、高野辻の雲海スポットに到着していた。
まずは午前4時の青い雲海。
雨予報の中、しっかりと水を含んだ雲海である。
悪天候でご来光を望むべくもないが、次第に白んでいく。
ガードレール脇に10台ほどの駐車スペースがあり、車中から雲海を臨むことができる。
ときおり、雨がぱらつくので三脚のカメラに傘をかける。
谷筋にたなびく雲がまるで天駆ける青龍に見える。
天狗木峠は「青龍雲海」の名所らしいが、どうしてどうして、こちらの青龍も見事である。