「ソワレ」と「みゅーず」 ~京都・木屋町の名喫茶
京都四条河原町から木屋町通上がること1分で名喫茶と称される「ソワレ」に到着する。
「ソワレ」とはフランス語で「夜会」を意味するが、店名通り、妖(あや)しくも落ち着いた青い光をたたえている。
創業は1948年の老舗で「色彩論的に青は女性を美しく見せる」ということから、照明を青にしたという逸話も残っている。
ブドウをモチーフにした木彫や東郷青児(とうごうせいじ)の美人画がお洒落な雰囲気を演出している。
名物はフルーツポンチで、インスタ映えすると、人気が再燃している。
ソワレHPより
「ソワレ」さんには申し訳ないが、私にとっての一番店は、ここから木屋町通りを少し上がったところにあった名曲喫茶「みゅーず」だった。
静かに流れる高瀬川に寄り添うようにたたずむ、お洒落な店「みゅーず」は、名画か映画のワンシーンの中のようだった。
山小屋風のつくりに決して豪華とは言えないが落ち着いた、えんじ色のソファーにステンドグラスやランプがあったのを憶えている。
クラシックの名曲が流れ、一人で本を読むための席もあり、不思議に落ち着く店。
学生時代は、ここから阪急か京阪に乗って帰ったので、このあたりが帰り道になる。
新人営業マン時代も京都を担当していたので、河原町阪急、京都高島屋、京都大丸と毎日のように廻るコース上にやはり「みゅーず」があった。
彼女ができたら、真っ先に連れていったのも、この「みゅーず」だった。いわば、青春の店。
残念ながら、19年前に閉店して今は焼肉店になっている。
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