ばくのメモ帳

『ばくのお宿』管理人の西みつのり、略して西みつのメモ帳です。ホームページに書き切れない雑多な情報を綴ります。

『高階良子選集』第23集新発売

2014年08月16日 | 高階良子
8月16日(土)、高階良子先生の『高階良子選集』第23集 [黒とかげ]が発売になりました。収録は表題作のほか「パンドラの秘密」「むかし空から」「ふたりの兄貴」の計4作です。


ボニータ・コミックスα 平成26年8月25日 初版発行

カバー折り返しのことばです。

「40年前 スランプでトコトン落ち込んだ末の作品/永久封印するはずだった「ふたりの兄貴」(前)/その後 ミステリーロマンに作風を切り替えた/最初の作品「黒とかげ」(後)を並べてみました。/読み比べてもらうのも一興かと・・・・・・/恥ずか悲鳴ーですが/そういえば 私のマンガ家歴も今年でもう50年になるのだなーと/何となく感慨にふける今日この頃。」

「黒とかげ」は、『なかよし』の昭和46年4月号から8月号に渡って連載されました。原作は江戸川乱歩「黒蜥蜴」です。

翌年、昭和47年に『黒とかげ 総集編』としてまとめられました。作品の扉ページには「日本じゅうの少女を興奮のうずにまきこんだ大人気まんが一挙掲載」と記されています。


『なかよし』昭和47年5月増刊号

コミックスへの収録は「講談社コミックスなかよし」で、1975年の4月に刊行されています。なぜか『血とばらの悪魔』に続く刊行となりました。 


講談社コミックスなかよし 昭和50年4月10日第1刷発行

最近では「講談社漫画文庫」に収録されています。


講談社漫画文庫 1999年7月10日 第1刷発行

文庫版のカバー折り返しのことばです。

「この「黒とかげ」は、私が作風を変えた/記念すべき第一作目です。/それまで描いていた学園・青春ものに行き詰まり、/最後に一本、それまで描きたくても/見栄や羞恥心などが邪魔をして描けなかったものを/いちかばちか、当たってくだけろとばかり描いたもので、/70年代が明けた年のこと、かなり話題を呼びました。」

なお、講談社版のコミックスは、すべて165ページですが、今回の選集版では169ページになっています。つまり4ページ分の描き足しがあります。古い作品なので手は入れていないと考えていたので驚きました。船などが大ゴマで描かれています。

また、講談社版では吹き出しのセリフが「いく」「やくそく」など、ほとんどがひらがなでした。今回は「行く」「約束」と大幅に漢字に変えられています。セリフは全面的に打ち直したように思います。


同時収録の「パンドラの秘密」は『プリンセス』昭和55年(1980年)5月号掲載の作品です。

コミックス収録は『パンドラの秘密』で、秋田書店から刊行された最初のコミックスでした。


プリンセス・コミックス 昭和55年9月20日 初版発行

「パンドラの秘密」はマジシャン葵昌吾が登場する作品で、翌年昭和56年の『月刊ボニータ』4月創刊号から「マジシャン」の連載が始まっています。


「むかし空から」は昭和60年『レッツBONITA』No.4 ボニータお正月大増刊号に掲載されました。

コミックス収録は「ボニータ・コミックス」の『海神の島』でした。


『海神の島』ボニータ・コミックス 昭和61年6月1日初版発行

ぶんか社刊行の『グリーンエンゼル』に収録、文庫化されています。


ホラーMコミック文庫『グリーンエンゼル』 平成22年7月20日初版第1刷発行

※「むかし空から」も今回の選集で8ページ分の描き足しがあります。(8.17追記)


「ふたりの兄貴」は単行本初収録です。『なかよし』昭和46年2月号に掲載されました。雑誌掲載時のタイトルは「ふたりの兄き」でした。上原マチ子、牧野和子との3人の作家による「はじめてのひみつ」競作の1作品でした。

『高階良子選集』はこれが最終巻になります。まだまだ、コミックス化していただきたい作品はたくさんあるのですが・・・。

巻末の「あとがきのかわりの雑談」は「ニュージーランド旅行記 その3」、3ページです。

ホームページも更新しました。

『高階良子の部屋』


コメント