みなもと太郎先生の奥様、後藤静香先生の単行本『風のささやき』を入手することができました。
奥付に発行日は記されていませんが、『GROUP』3号の「作画グループ大特集 PART1」によると、1975年8月の刊行でした。
先生の作品集ではなく、作画グループ5人の作家の作品が掲載されています。
後藤静香先生の「風のささやき」は45ページの中篇で、単行本の表紙絵も先生でした。この作品は、「作画グループまんが作品賞」の1975年特別賞になっています。(『GROUP』4号「作画グループ大特集 PART2」)
同時収録の4作品は、1974年の作品賞受賞作品でした。(『別冊10』 「作画グループシリーズのお知らせ」)
『風のささやき』は「作画グループシリーズ8」となっています。
「作画グループシリーズ」の第1弾は、まぜき伸吾『泥だらけの天使』(1970年8月刊)でした。このコミックスも、6人の作家による作品集です。
「作画グループシリーズ2」は聖悠紀『超人ロック』(1971年4月刊)で、「作画グループシリーズ3」が、みなもと太郎『真夜中の仔猫』(1973年4月刊)でした。
この同じ装丁での刊行は「作画グループシリーズ8」までで、次の号からは装丁が変わっています。
オフセット会誌の『なかま』や『GROUP』の作品をみると、後藤静香先生の作品はイラストが中心だったように思えます。
改めて『GROUP』を見てみました。掲載はとびらイラストが中心です。昭和53年(1978年)9月発行創刊号のイラスト。
2号、3号、4号と初期の『GROUP』のとびらイラストを手がけています。7号のイラストです。
10号はカラーイラストでした。
みなもと太郎先生による作者紹介は、「後藤静香 『GROUP』初の巻頭カラーイラストを、何とヌードで飾ってしまう人。」でした。(『GROUPグラフィティ』、「狂得附(グループ)大辞典」)
同じころの『なかま』35号の表紙イラストです。昭和54年(1979年)12月15日発行です。この号では作品批評もしています。
13号には作品「恋心」が掲載されています。オールカラー8ページ。
2017年10月から11月にかけて開催された『みなもと太郎画業50周年原画展』では、この作品から多くの原画が展示されていました。
「恋心」の復刻版がくだん書房から発行されています。
A4判の大型の復刻もありました。美しいです。
先生のサイン入りですね。
最後に、展示会で販売された原画の複製原画2枚です。
次回は作画グループ関連の新入手資料です。