吉田初三郎の銚子鳥瞰図はもう一点残されています。『関東第一の魅力 銚子市』です。
発行所は銚子観光協会です。このパンフレットについては『銚子市政史 昭和九・十年度』に記述があります。
昭和9年度第十二章「観光」第一節「観光協会事業概要」に次のように記されています。
3.高級パンフレットの印刷
吉田初三郎画伯の作にかかる高級パンフレット関東第一の魅力「銚子市」一万部を印刷し一般観光客を始め全国的に紹介宣伝に努めたり
銚子観光協会は銚子市と高神村を区域として、昭和8年5月27日に創立されました。同年2月11日の市制施行に高神村は加わりませんでしたが、観光については一体となって推進されていました。(創立時の観光協会会長は銚子市長、副会長は高神村長と銚子市助役)
大正15年発行の『大銚子遊覧鳥瞰図絵』と比較してみました。
『大銚子遊覧鳥瞰図絵』には旅館や事業所の名称が多く記されていますが、『関東第一の魅力 銚子市』には個別の事業所名は載っていません。
大正15年と昭和9年の違いも見て取れます。
一の島灯台が描かれています。一の島灯台の初点年月は昭和9年9月でした。
また前者には町役場があり、市制施行後発行の『関東第一の魅力 銚子市』には銚子市役所が描かれています。
松岸から佐原まで線路がつながりました。昭和8年3月11日の開通です。(昔は「佐松線」と言っていましたね。)
『関東第一の魅力 銚子市』については、「吉田初三郎式鳥瞰図データベース」に掲載されており、パンフレットを持っていなくても見ることができます。
このデータベースのパンフレット表紙裏は「銚子案内略図」ではなく、ヒゲタ醤油の宣伝でした。これもいろいろ現物を見たいですね。
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