子供のころ、ようやく村に1台テレビが入った。
村中のものが集まって色のないテレビを観た記憶がある。
ある日、四谷怪談の放送があった。
私は怖さのあまり両手で顔を覆い、その指の隙間からテレビを見ていた。
怖いのに見たい。
今から思えば、それは人の心のあり様を正直に現したものだった。
私たちは真実を直接見ることはできない。
私たちが知る世界のすべては、人の認識が作り上げたものなのだ。
認識し、理解できるものの中に包まれている限り人は安心していられる。
しかしその領域を超えるものに恐れと興味を抱く。
顔を覆った指の間から覗く
それが人の姿なのだろう。
ではこの未知なる真実に恐れを抱かず受け入れることができたら
人はどうなるのだろうか。
考えてごらん、
人はその時、自ら作り上げていた小さな殻を破って、真実の世界に飛び出す。
まゆを破って蝶が羽を広げるように
あなたは未知の空間を自由に飛びまわる。
それが悟りであり、至福だ。
あなたは宇宙そのものだ。
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