4部作のいよいよ最後の作品イメージは、いろいろあったが、結局曼荼羅のような形になった。
すべてを受け入れて世界を眺めると、宇宙空間が呼吸のたびに体内に入り込んでくる。そんな実感が生まれる。
生も死も、一つの世界にいる。
究極の幸せはその真実に身を置いて、楽しむことだと思えてならない。
心の中にあらわれてくるそんなイメージをできるだけ正確に描き出そうとすると、曼荼羅に近い構図となることに何か . . . 本文を読む
校庭の名物の桜が咲き始めた。
出勤の時間に、あれツ、咲いたと思った淡いピンクの斑点が
帰るころにはぐんと広がっている。
春のはやさを目にする思いだ。
その流れとともに浄土「苦楽」の全体が見えてきた。
長い道のりだったような気もするし、あっという間の出来事だったような気もする。
定年退職まであと4日というところまできた。
そんな思いも重ね合わせて、「苦楽」は私の記念碑としたい。
新た . . . 本文を読む
神とは何か。
ここでは神という言葉を多用するので、その意味を書いておきたい。
私のいう神とはもっとも自然な存在のことだ。
それゆえ決して、人の運命を変えたり決めたりするような存在ではない。
人を教え導き、救い罰する。そのような超人的な存在でもない。
恐れ、崇め、羊のように付き従うべき存在でもない。
このような存在は、人間が作り上げた偶像であり、もっとも不自然な幻想だ。
私のいう神とは . . . 本文を読む
「浄土」苦楽最後の作品は のしてんてん系宇宙 の主題であるスケールを意識して画面に大小のスケールを同じ画面に配置した。
世界は大きなスケールと小さなスケールが同時に存在している。それを可能にしているのが空間だという思いが、随分前から私の思いの中にある。
私たちはすべて空間に浮かんでいる。あるいは空間に包まれている。私は地に足を付けていると反論する人は大きなスケールで世界を見ればすぐにわかるだろ . . . 本文を読む
政権が交代して、高校の授業料無償が再び有料となった。
おかげで現場は大混乱だ。
国の制度変更に、委員会からの現場指示のメールが夜中に送られて来る。
そのたびに入学者説明の資料をつくっては修正の繰り返し。
その渦中に私の最後の業務がある。小さいことだが、国の政変が地方の端末に及ぶ一場面ともいえる。
皆が行くというので私もついて行ったアナと雪の女王、女王が歌いながら一人氷の城に向かう場面を、 . . . 本文を読む
3月に入って卒業式も終わり、瞬く間に最後の行事が進行していく。来週は入試関係の実務が続いて、新入生を受け入れて、その半ばで私の使命は終わる。
私の身にまとわりついた公務なるかせもあと半月あまり、自由の身となって温室から追放される日は目前だ。
心を空にすれば、私は生まれたての赤ん坊と同じレベルになる。
借金0、収入0、扶養者0、国家の枠を見なければ、私は私自身のためにだけ呼吸をする無垢の命とな . . . 本文を読む
今、心は至福感から遠ざかっている。
どんよりとした曇り空のようだ。
そんなときは、何を考えてもマイナスの方向に向かていく。
私がもし、いくらかでも成長しているのなら、今このときに、何か違いがあるはずだ。
わずかでも違いがあれば、そこに真実があるのではないか。
思えばいつも崩れていく心の中にいた。
それが今は、それを眺めている。
崩れていく心の中にいたころは、マイナス思考に不安が広がり . . . 本文を読む