昨日飲みだして、気がついたら朝だった。隣人も起きて、濱に付いてきた。
風が強く、時々雨が落ちてくる。それでも手が切れるような寒さではないので動きやすい。
挽いた草がそのままになっている。それを拾い集めると一抱えの草の山がいくつもできた。
闇の中の作業だが、目は慣れている。
隣人は頭にライトをつけて、二人での草挽きは初めてのことだ。
小一時間で濱の上の草はなくなった。雨が本降り . . . 本文を読む
一日創作に没頭した。
新しいものを生み出すとき、あるのは不安しかない。自分を信じなければ進めない。
これはだめだと、何度か思った。
腹をえぐられるような痛みを感じたときが峠だった。
やるしかない。
痛みをそのままにして進んだとき、突然こころが喜びに変わった。
やぶから一歩抜け出したと言う感じだ。
絵がこころそのものとなった。
次の絵も、これと同じこころの行程をたどらなければならない . . . 本文を読む
平日は2時間、制作にあてる時間だが、それを積み重ねて作品ができる。
卵を重ねた絵が飽和状態になってきている。
今日はその頂上に登り切ることができるだろうか。
サラリーマン画家には一番いいパターンで仕事が進んだ。
ゆっくり時間のとれない期間に、単純作業を積み上げて、休日にたっぷりと自分を解放して作品を仕上げる。その繰り返しだ。
最初に行き詰まった作品だったが、やり直しがきいて、心の中に拡が . . . 本文を読む
御用納め、今年最後の仕事だ。
40年を越えて、このサラリーマン人生を送ってきた。
そして来年は、その最後の年となる。
正確には平成25年度、2014年3月31日が私の新しい人生の出発点になる。
幸せとは何か。一貫してそのことを追求してきた。
人として生まれ、サラリーを得ながら生計をたててきた。家族を養い、その隙間で絵を続けてきた。その中で見続けてきた幸せの形。それを上手く表現できたら、私 . . . 本文を読む
さむい朝だ。
心に隙間が出来て、悲哀の色が覗く。
その色に支配されると苦悩がやってくる。
60年近く生きた私の経験だ。
この年になってやっと、その隙間が何か分かってきた。
つまりそれは、己の真実の場所だということだ。
心の隙間は、自分が何に成るのかという無言の問いかけなのだ。
どこに進むのか、己が己に命令を下す場所と理解していいだろう。
私は絵描きになる。
心を決めるということは . . . 本文を読む
構想でいいと思った絵が、描き進むうちに、心打たなくなった。
卵の殻が裂けて外に解放している図柄が気に入らない。
その一瞬の思いを大切にすると、絵を根本からやり直さなければならなくなる。
時間がない。今までの時間が水の泡。いろいろな負の思いが起こって心が鈍る。
鈍った心で絵を眺めていると、どこからかその絵を認める思いが生まれてくる。理屈で絵を丸め込んでしまう。大抵それで失敗した。
そんな絵 . . . 本文を読む
24日は朝2時に眼覚め、しばらく布団の中で瞑想してから濱に向った。
風が強く海際の道路標識のきしむ音が寒い。
ススキの大きな株に行き当たって、その根を引こうとしたが指の感覚がなくなって来たので諦めて帰ってきた。
それから絵を描き始めた。鉛筆の背景が最高まで行き着いて、それが16年も続いている。しかしそれが最高なのかという問いかけをほとんどしなかった。作り上げたスタイルに安住しているといわれて . . . 本文を読む
子供の誕生日とクリスマスのパーティー
アトリエから昼食に帰ると、みなでプレゼント交換みたいなことになっていた。
考えもしていなかったが、私にもプレゼントがあった。
妻は毎朝出かける草引きのために、裏地のついた防寒のズボンをくれた。
私は何も用意していなかったが、考えてアトリエから石ころを持ってきて紙に包んで妻にわたした。
草引きをしているマーブルビーチで、時々形のいい石とめぐり合う。
. . . 本文を読む
切れた
はがきを作るソフトで往復はがき大のパンフをつくったものの、データーが外に持ち出せない。
仕方なくプリントして、それをスキャナーで読み込み、画像データーを作った。
指定の解像度以上の設定でやったのでこれで終わりと思ったら、
入稿したデーターは使えないとメール。
なぜ悪いのかも分からない。このページを見ろという指示だけがついている。
解像度、大きさ、拡張子の種類、圧縮・・・・訳が分 . . . 本文を読む
カタログが出来た。ちょっとしたことが引っかかって、三日もかかってしまった。
入稿できるデーターにするまであと一山ある。絵を描くより難しい。
3連休。集中的に絵と向かい合う。
己の人生は絵のためにある。そういいきれる絵が描けるのか。それを試す3日間だ。
サラリーマン根性が染みついている。
その根は思ったより深い。
その根を完全に抜ききることが出来なければ、私に野生を生きる資格はない。
. . . 本文を読む