(6)2009.10.11(運動会)
「ほれ、しっかりなァ」
母は身を乗り出して応援する。車椅子がきしんでいる。
Wの里の運動会に近所の園児が招かれて、お遊戯やかけっこが始まったのだ。
母は初孫を預かって、小学校から短大まで育て上げた。2世代の子育経験がある。そして何より子供好きだ。そんな思いを重ね合わせて、保育児童の演技に拍手を送っているのだろ . . . 本文を読む
水面の作家橋口徳次展に行ってきました。
小磯良平大賞展で大賞に輝いた橋口さんは、以来川や海の水面を克明に描く作家として有名です。
作者の了解を得て、作品を紹介します。
個展は7月1日(日)まで。大阪池田市 画廊ぶらんしゅで開催しています。
水面に目をやると、小さな波が突然大きな波となって画面 . . . 本文を読む
(5)2009.10.5(ブログを立ち上げた日)
母の絵をたくさんの人に見てもらいたい。そして励ましをもらえたら母も喜ぶにちがいない。そんな思いでブログを立ち上げた。
絵など描いたこともない母、デッサンなどまったく出来ない母、そんな母でも線を引くことは出来る。そう信じて二人で始めたお絵かき教室。それが10ヶ月を越えた。
母は気付いていないけれど、画力は随分上達 . . . 本文を読む
ジャガイモ掘り体験
牛窓、龍の間設置の合間にジャガイモ堀体験をしました。
ポラン亭の常連さんで、大農場を管理しているKさんの誘いで、ジャガイモ掘りに行きました。
ダンディーなカーボーイスタイルのKさんが笑顔で私のジャガイモ堀りを見守ってくれています。
龍の間の鑑賞会に参加してくれたKさんです。
背景は瀬戸内海。
野球場一つ分もあり . . . 本文を読む
ポラン亭 龍の間の完成(のしてんてん両界曼荼羅)
ポラン亭に龍の間(牛窓)
3月29日記事に引き続き、今回2枚目の天井画を設置しました。
3月29日の記事の一部ですが↓
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(4)2009.3.31 (だっしゃないのぅ)
母の線引きは少しずつなめらかになってくる。たどたどしい硬い線が消えていく。
「おばあちゃん、線上手になったなぁ」
「そうかの」
「ほら、みてみいな。前の絵と比べたらようわかるやろ」私は最初の頃の母の絵を並べて見せた。
「迷わんと、まっすぐす描けとるやろ。気持ちええなぁ。のんびり絵が描けるようになってきたんやろ?」
「なにょ . . . 本文を読む
今この瞬間、この花はここにしか存在しない
7回にわたって、皆様と共に見てきました心の旅、如何だったでしょうか。
8回目になる今回は、そのまとめとして、「今この瞬間」について考えてみたいと思います。
結局心の原点というのは、「今この瞬間」のことだったのです。
ならばなぜ、たらたらと話を進める必要があったのかとお叱りを受けるかもしれませんが、一応理由らしきものは . . . 本文を読む
(3)2009.2.7(私の好きな絵)
洗濯物を済ませ、乾いたものをたたんでゆく。
下着を一枚たたむのに10分もかかる、端と端をそろえても、次の動作で手が離れていつまで経ってもたためないのだ。
「はがいい(歯がゆい)よぉ」 母はそういって洗濯物を投げ出す。
「ほいたら、こい(これ)頼むわ」
私はタオルを渡した。やっと納得したように、たたんだ . . . 本文を読む
振り子は宇宙のエネルギー
心はあたかも大空に浮かぶ雲のようだ。
あるときは激しく渦巻き、ある時は箒雲が澄み切った空気を喜んでいる。
またある時は、たくましく力強い入道雲となり、雨を落とし雷鳴と風を呼ぶ。
光を浴びて輝いたかと思うと、陽を背に隠して黒雲になる。
夕焼けから漆黒の闇に溶け入っても、星の明滅の途切れる空に、
誰だって雲の流れを知っている。
気ままに変転す . . . 本文を読む
(2)2009.1.30(しっかりサインも書けた日)
朝、家を出て車で高速を走る。Wの里に着くとちょうどお昼時になる。
母は食堂にいた。トレーに乗せられた皿やお椀は半分空になっている。
なぜか私が幼少の頃、虚弱で入院した病院の食事を思い出した。
付き添いの母が、私と一緒に病院食を食べていた。私の椀は白粥なのに、母のは白いご飯だった。それが羨ましかった。
母 . . . 本文を読む