「黄泉の国より」(1600字)は2014年に当ブログに90回にわたって連載した私の唯一のファンタジー小説です。しかしブログの機能上順を追って読むのが大変で完全にうずもれていました。
ところで真鹿子さんの詩「地球の爆弾すべて花火となれ!世界平和花火大会をしよう!」に出逢い、「黄泉の国より」もこの願いにささやかでも添ってくれるのではないかと思うようになりました。
なんとかできない . . . 本文を読む
2か月にわたり「黄泉の国より」にお付き合いいただきましてありがとうございました。
このファンタジーは、私が提唱する5次元宇宙の考え方をベースにして書いたものです。
「時間」を主軸にした4次元による思考は現在の世界を繁栄に導きましたが、その歪から恐ろしい悪魔も生み出してしまいました。
アメリカの悪魔とイスラムの悪魔、これらを癒し鎮めるには、もはや4次元の思考を超えた思考違法が必要なのではないか . . . 本文を読む
終 章
ランバード王国にウイズビー王が誕生した。セブの称号は廃され、ウイズビーが自らの名で王位を継いだのだ。生きたまま王が引退して王位継承をしたのは、ランバード王国始まって以来の事だった。
血塗られた王家の歴史は途絶えたのだ。
新王が即位して間もなく、ランバード王国は新たな王家の墓を建立した。牢獄につながれた歴代の王がはじめて棺の中で安らかな眠りについた。その一番奥の棺 . . . 本文を読む
最後の戦い
「ついにやって来おったな。」
「姉様、どうか気をつけて。」
「分かっておる。パルガ、お前こそ、首尾よくの。」
パルマとパルガは素早い動きで王の間を出て王宮のバルコニーに出た。ウイズビーとゲッペルが赤と青の玉を持ってその後に続いた。バックルパー達もバルコニーに出た。
中庭では、民衆がひしめき合い、全員天を仰いでいた。悲鳴はそこから聞こえて来たのだった . . . 本文を読む
青い玉
始祖王がウイズビー王子を打ち取ろうと山刀を振り上げたとき、パルマの厳しい声が聞こえた。
「やめるんだ、ヴォウヅンクロウゾ!」
「ぐぐぐ、なぜその名を。」
始祖王が振り上げた山刀を止めてパルマの方を見た。その瞬間にウイズビー王子はゲッペル将軍の手を振り払って逃れた。
「何もかも分かっているのだ。だがもう終わりだ、ヴォウヅンクロウゾ。」
「お . . . 本文を読む
のしてんてん絵画の紹介。本日はS30号の作品です。
10作目の紹介は最近私が取り組んでいるテーマで描いた作品です。
これまでの、のしてんてん絵画は、基本的にフラットな背景に箱を描くというものでした。無論その思いは今も続いていますが、新たな世界を求めてさらにのしてんてん絵画を拡大していこうというのが狙いです。
今までで禁欲を守ってきた背景に意味を持たせるという試みは、成功確率が低い無謀な試みで . . . 本文を読む
大合唱
王城の守りは堅牢だった。反乱軍が王城を取り巻いて城門は市民で埋まってしまう程だったが、城からの攻撃は反乱軍をたじろがせた。その間に城門の橋が城の方に吊り上げられ、反乱軍は深い掘りを目の前にして完全に城から締め出された。
勇敢な何人かの戦士は堀を渡り、城壁をよじ登ろうとしたが、城壁の上から石を落とされて下に転がり落ちた。
堀を挟んで石つぶて . . . 本文を読む
儀 式
「あの騒ぎは何じゃ。」
「はっ、反乱軍が押し寄せております。」
「何、反乱軍じゃと。鎮圧したのではなかったのか。」
始祖王が興奮して叫んだ。黄泉の国の城に設けられた王宮には始祖王とゲッペル将軍の姿があった。始祖王は寝台の上に身を持ち上げて上半身を起こしていた。その王の周辺に黒い無数の邪鬼が取り囲み、王の体を支えていた。
「申し訳ありません。セブズーの市民が蜂起した . . . 本文を読む
革 命
黒い森では再び激しい戦いが起こっていた。森を取り巻く警備隊の軍をその背後から、ユングの率いる民衆の反乱軍が襲い掛かったのだ。
「解放軍万歳!」
「警備隊を倒せ!」
反乱軍の武器は棍棒や石がほとんどだったが、押し込められて鬱屈していた民衆のエネルギーが一気に解き放たれた勢いは、まるでダムが決壊して下流の建物をあっという間に押 . . . 本文を読む
二人で
2014-12-24 | 日記
先日、突然届いた友の訃報に驚き、連絡を取ってご自宅で線香を仏前に供えさせていただいた。
生前よく聞かされた二人の子供はもう成人間近の若者となていて、初対面でありながら何の違和感もなく受け入れてもらえた気がする。二人とも亡き友の心根を仲良く分け合いながら引き継いでいた。私にはそれが何よりうれしかった。
彼と登った山、確か写真があったとアルバムを引っ張り出してみたが、彼が写っているものはほとんどな . . . 本文を読む