(4)
「博士はどうして艦長と話ができるのですか。」食事のあと、ぴょんたが言い出しました。
「本当に艦長は話ができるのでヤすか。」
「寝ているか、泣いているかダすからね。でもわたスも艦長と話をしたいダす。」
「私が北斗、いや艦長と話ができるのは宇宙語があるからなのだよ。」
「宇宙語ってなんでヤすか?」もこりんが真っ先に質問しました。
「むつかしいのはいやダすよ、博士。」 . . . 本文を読む
(3)
スケール号の操縦室をジイジは懐かしそうに眺めました。操縦席の前に赤いレバーがありました。操縦かんです。ジイジはすぐにスケール号を動かしてみたくなりました。
でも操縦席には坐れません。そして気付いたのです。自分が艦長でない理由が分かったように思えました。いつの間にかジイジになってしまっていたということなのです。
でも北斗だって、この席に坐れないし、操縦かんも握れない。
そう思っている . . . 本文を読む
(2)
ある日、珍しく温かい陽射しがカーテンを通して部屋に差し込んできました。
ジイジは意味なく心がうきうきしてカーテンを開けたのです。ピンク色の花びらが一枚とんでいました。近所の梅の花が満開なのかもしれません。
その時、北斗のかわいい力み声が聞えてきました。そして泣き出したのです。
窓際に置かれた小さなベッドに寝かされた北斗の顔が輝いていました。
「おう . . . 本文を読む
(1)
北斗と言えば、夜空に並んでいる七つ星。でも、ジイジにとっては可愛い小さな赤ちゃんのことなのです。
白いおくるみからちょこんと顔をのぞかせているその目を見た時、ジイジは初めて北斗と出逢ったのでした。
それは深い穴からこわごわと外を眺めているつぶらな瞳でした。怖がらなくていいよ。ジイジは目でそう言いながら北斗の額にそっと触りました。
北斗の真っ黒な目と出会った時、ジイジは天の川で星の赤 . . . 本文を読む
五次元宇宙モデルを心に取り込む試み
五次元宇宙モデルを壁に貼って座る
これは私だけの体験だが
瞑想に大きな効用がある
まず第一に
意識が明確になる
己はどこに向かうのかという意識だ
その時
宇宙モデルは
己の鏡となる
雑念が消える
第二に
空間に対する意識が鮮明になる
黒点を追うと
白い球体が明滅しはじめる . . . 本文を読む