「雨でヤす。」
「こんな雨、見たことないだス。」
雨は海面に落ちると。瞬間に黒い雲がもこりと立ちのぼり、それがしっぽの形になったり、魚や小鳥や、指や耳の形になって消えた。
雨が一粒落ちる度に海面にぽこりと小さなものの形が生まれて消えるのだった。
「何ですかあれは、気持ち悪いような、おもしろいような。」
「あの雨は、役目を終えて、目的を失ってしまったもの達なんだ。海に落ちた瞬間に . . . 本文を読む
のしてんてん「蓮の花」
連日報道される日韓(韓日)問題は、典型的なボタンの掛け違い外交だ。
政治のことは分からないが、心の探求者としてすべての人々の心に訴えたいと思う
最悪のシナリオに向かっている両国の関係は、もはや互いの政権の努力では回復出来ないところまで来ているとしか思えない。恐ろしいことだ。それは両国民に多大な不幸をもたらす。それを止めるのは両国民の正しい民意しかない。 . . . 本文を読む
一六、チュウスケの秘密
スケール号は念のためにエネルギーのシールドを張った。船体が青い膜で覆われた。突然攻撃されても、シールドを張っておけば、スケール号の中は大丈夫なのだ。
いつしかスケール号は黒い海の上にやって来た。黒い海は静かで、様々な色が不気味にうごめき、ゆっくりと混ざり合っていた。
黒と思っていたのは実は無数の色が混ざり合っていたのだ。すべての . . . 本文を読む
のしてんてん「道」 910×910 キャンバスに鉛筆
搬入のギリギリまで調整して、やっと筆(シャーペン)を置く作品となりました。
三年ほど続いた龍の作品は、一応心の中で整理がつき、今回はそれを越える世界に踏みこんでいく第一作です。
写真ではテカリやピンボケで鉛筆の粒子が伝わりません。残念ですが大体こんな感じということでご理解下さい。
作者としては是非この粒子の . . . 本文を読む
本年も21世紀のメッセージ展が開催されます。2020オリンピックを分化の面で盛り上げようという4年がかりの企画展。
東京銀座、ギャラリー暁にて、8月19日(月)~24日(土)
19日、オープニングパーティーには私も参加します。
. . . 本文を読む
一五、黒い海
スケール号はメルシアに礼を言い、その場を離れた。そしてさらにその体を大きくし始めたのだ。
スケール号がもとのネコの大きさから一億倍の大きさになって、地球の大きさになった。さらにその一億倍の大きさに拡大して暗黒星雲に至り、暗黒星雲の十万倍の大きさになってピンクの銀河に到達したのだ。
博士の計算ではここからピンクの川に行くには、更に銀河の千倍 . . . 本文を読む
「ありがとう、メルシア。たくさん教えを頂きました。感謝いたします。」
「いいえ、私は、あなた方の愛と勇気に動かされたのです。地球からここまで来られたものはあなた方のほかにありません。宇宙が生まれてから、あなたたちによって初めて成し遂げられたことなのです。あなたたちの旅が最後までうまくいくことを願っています。」
白いローブを着たメルシアは、話しが進むうちにその姿を変え始めていた。その変化はと . . . 本文を読む
十四、メルシアの約束
「よく帰りましたね。」
メルシアが優しく語りかけて来た。再び見るメルシアの姿は、さらに白く輝くローブに身を包んで、晴れやかな笑顔をしていた。
「メルシア、あなたの病気はよくなりました。病気のもとを退治してきました。」
艦長が胸を張って言った。
「よかった、なんとお礼を言っていいのか。・・・・それで病気のもとはなん . . . 本文を読む
十三、子守歌
スケール号の中は喜びに満ちあふれていた。大変な戦いだった。もしやと思った隊員達は皆、生きて戻って来たのだ。
無事を祝って乾杯もした。博士が特別にカカオジュースを作ってくれたのだ。うまい。
それにしても、ここはまるで病院のようだった。
もこりんはお腹に包帯を巻いている。カンスケのクチバシで突き刺されたのだ。
ぴ . . . 本文を読む