のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

「クオリア」との出遭い

2017-10-22 | 心の旅

心を「質」として理解する最新の脳科学

この卵を見ているあなたは今いる自分に気付いていますよね。思考が働いたり、何も考えず見ていたり、何かを期待していたり、・・・今この瞬間、あなたは何かを感じているに違いありません。それは眠りによって中断しますけれど、

この感じは、次の眠りにつくまでの間、ずっと続いていますね。この意識が続いている感じを「心の質感」というとらえ方をして「クオリア」という概念をつくり出したのが、脳科学者茂木健一郎先生です。

今まで、喜怒哀楽を一つのものとして考える概念がありませんでした。個人個人すべて違う表情を見せる感情は科学の対象外でした。それをあえて研究するための概念、つまりすべての感情や心をひとつのテーブルの上にのせて考えることが出来る、そんなテーブル(概念)をクオリアと名付けたのです。

 

私が「クオリア」に出遭ったのは、たまたま行った図書館の大活字本コーナーでした。

そこで本を物色するうちに、「脳と仮想」という背表紙に目が留まり、手に取ったのが茂木健一郎先生の著作でした。

読んでみると、心の問題を脳科学の立場から説いたもので、実に読みやすく私の提唱する五次元宇宙論と相性が良くて、まるで歌うように読み通しました。文体が論文というより文学的だったのも読みやすい理由でしたが。

自分の手元に置きたい本でしたので、早速ネット購入しました。

 脳と仮想

そこでクオリアという概念に出遭ったのですが、それを詳しく説明する文書を別の本から見つけましたので転載します。

 

ネガティブ脳とポジティブ脳によって人の行動は大きく変わってくる。しかしこれらはあくまで気持の問題であって、科学的に解き明かす土壌がなかった。

そこで1997年「クオリア」という概念を発表した。

という意味の説明があって、次の文です。

***

「クオリア」とは、もともとは「質」を意味するラテン語です。私たちが心の中で感じる、さまざまな質感。それらすべてを、脳科学の世界で「クオリア」であると位置づけたのです。

たとえばチョコレートを舌にのせた時のまろやかで甘い感覚。トーストをかんだ時のサクッとした感覚。こういう感覚を「クオリア」と称します。また味覚だけでなく、初めて入ったレストランのワクワクした感じ。昔の友人を思い出すことで感じる懐かしさ。これもまた「クオリア」なのです。

そしてこの「クオリア」は、実際の数値で表すことは出来ません。重さや速さといったものとはまったく異なるのです。たとえば甘さについても、果実には糖度というものがあります。同じリンゴでも糖度が高いほうが甘いわけです。

しかし、同じ糖度のリンゴでも、食べる人によって甘さは変わってくるでしょう。甘いと感じる人もいれば、すっぱいと感じる人もいる。また同じ人が食べたとしても、その時の気分や体調で味は変わってきます。恋人と一緒に楽しく食べれば、どんなリンゴも甘く感じるかもしれません。この、数値で表すことのできない不思議な感覚すべてが「クオリア」なのです。そしてこの「クオリア」こそが、現代の脳科学における最大のミステリーでもあるのです。

感動する脳 PHP文庫  茂木健一郎 「イメージトレーニングとクオリア」より

 

****

要するに、「クオリア」とは、私たちが心と呼んでいる感覚をひとつのものとみなして考えるということですね。

これは学者でない私たち一般人にとっても画期的な概念だと思います。1997年と言いますから、20年も前に提唱されていて気付かなかったのが残念ですが、それより出遭わせていただいた図書館に感謝いたしましょう。何よりこの1997年は「のしてんてん系宇宙」を自費出版した年というのも面白い偶然です。

クオリアは、夢を見ない完全な眠り以外の私たちの意識の世界を表す言葉なのですね。いえ眠りの無でさえ、クオリアと位置付けることが出来るでしょう。

ここから真っ先に理解できることがあります。

それは一瞬たりとも途切れないで私たちに寄り添い存在するものだということです。

するとこういうことがはっきり認識できるのです。

たとえば苦悩があります。

悲しみがあって、しかしその次はに喜びがやってくる。

この時悲しみと喜びはクオリアですが、その悲しみと喜びの間も同じクオリアであって、その間にクオリアが悲しみから喜びに変化しているのですね。まさに波のように。

つまり私たちの心は、クオリアであって、様々な感情は別々に生まれているのではなく一つのクオリアが変化しているだけなのです。

 

そうすると、心とは何かという問題は、クオリアとは何かという問題として考えられるわけで、個人の中で好き勝手に生まれている心であっても、クオリアを研究することで心を科学することが出来るという訳ですね。

 

何より驚いたのは、クオリアとは、のしてんてん系宇宙そのものではないのかと思えることです。のしてんてん系宇宙の世界が科学として語られる時が来るのかもしれません。

 

 台風の影響で雨がひどくなってきました。大きな被害がありませんように。

 

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