神が二つの言葉をもたらした。私はそう信じている。
一つは、
天才に感謝しなさい。そうすれば世界の作家になるだろう。
10万人のスケッチをしている私の横にきて言った老人の言葉だ。
そしてもう一つは、
私の個展にふらりとやってきた若い男の言葉だった。
こんな絵を描き続けたら、いつか追いつめられて自分を殺すことになるだろう。
言葉は心を縛る呪文だ。
私の心は常にこの二つの言葉に縛られていた。神が与えた試練だと思い定めて生きてきた。
二つ目の予言は殊に私を試す神の言葉だった。
恐れを乗り越えて進む覚悟を促すための試練だと考えてきた。
今朝目覚めたばかりの頭で神に感謝をおくったとき、その瞬間のきらめきの中で私は二つ目の神の言葉をそのまま受け入れている自分を発見した。
絵を完成させることで死ぬものがある。
己が絵の中で死ぬ
そう思いが至ったとき、二つの神の言葉が私の中で一つに解け合った。
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