
■岳林寺
今日は快晴。ずっと前から念願だった「草枕の道」に家内と二人で挑戦した。
9時過ぎ、スタート地点の岳林寺から15km余りの旅が始まる。

■鎌研坂(かまとぎざか)
鎌研坂を通るのは中学生の頃以来だから、実に50年ぶりのことになる。
草枕の有名な書き出し、「山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」
のくだりはここら辺で思いついたのか。

■峠の茶屋
鳥越ノ茶屋を過ぎて道が四方に分かれる。
天水町(玉名市)方面を目指す。

■石畳道
竹林の中を通る石畳の道。最近あまり見たことのない
ような太い竹が並んで、ちょっとびっくり。

■石畳道
さらに、石畳の道はみかん畑の中へと続いて行く。
この道はいつ頃、誰が造ったものなんだろうか。

■野出ノ茶屋跡
3時間余りかかって、やっと野出峠の茶屋跡に着く。
「『おい』と声を掛けたが返事がない。」で有名な茶屋は
ここのことだと言われているが、鳥越ノ茶屋のことも合わせて
表現しているという説もあるらしい。今は展望園になっている。
12時も回ったことだし、桜の樹の下のベンチに座って持参した
昼飯を食べる。漱石が正岡子規に送ったといわれる句を刻んだ
句碑が建っていた。
「天草の 後ろに寒き 入日かな」

■野出ノ茶屋跡
とにかく四方は絶景。金峰山やその向こうの宇土半島、
有明海などが一望できる。霞がかかっていたので天草や
島原の方まではよく見えなかったのが残念。

■みかんの里
旅も後半、天水町に入ると、道はだんだん下っていく。
有明海と横島の干拓地が次第にハッキリと見えてくる

■前田案山子の墓
漱石が逗留した前田家の当主、前田案山子の墓を通る。

■みかん畑の道
みかんの花のにおいの中をゴール目指して進んで行く。

■前田家別邸
「草枕の道」ゴール地点の前田家別邸に着く。
5時間半ほどかかったが、急な山坂が続いたわりには、
当初心配したほどには疲れなかった。

■前田家別邸の浴場
「草枕」に「那古井の宿」として登場する前田家別邸は、
今は奥の離れは「漱石館」になり、漱石が入った浴場も
当時のまま残されている。