徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

ザ・わらべ ~ 潮来曲(いたこぶし)を踊る ~

2011-05-10 13:10:07 | 音楽芸能
 和楽に興味を持つようになり、その起源や歴史を調べると、いろんなことが分かってきて実に面白い。特に民謡は唄そのものもさることながら、その時代背景や風俗、文化が見えてくるから不思議だ。
 この「潮来音頭・潮来甚句」の「潮来」とは、茨城県霞ヶ浦の南東に位置する水郷潮来のことだ。また、江戸時代中期頃から全国に広まった「潮来曲(節)」を起源とする民謡の一系統を「潮来」と呼ぶ。つまり「ハイヤ」と同じような意味合いだ。潮来は古くから利根川水系を利用した舟運の要衝として栄えた。米などの物流や東国三社参りの巡礼などで賑わい、旅籠や料亭、遊郭などが軒を連ね、客をもてなす座敷唄として「潮来節」が唄われた。こうした盛んな人の往来が「潮来節」の伝播を促したのである。「潮来節」はまた、「佐渡おけさ」や「阿波踊り」などのルーツとも言われる。そこで思い出すのが「牛深ハイヤ節」の「佐渡おけさ」や「阿波踊り」などのルーツ説。しかし、どちらが本家かなどという議論は意味がない。要するに、民謡というのは、舟運や街道を往来する人々によって各地方に伝わり、いろんな地方の民謡が影響しあって出来上がってきたものだということだろう。ザ・わらべが踊る「潮来音頭・潮来甚句」も詩の内容は熊本バージョン。潮来から遠く離れた熊本でも、こういう形で唄い踊るのが民謡というものの本質なのかもしれない。