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最近は誰もが知っているような英雄が登場する時代劇より名もなき人々を描いた、つまり狂言の「この辺りの者でござる」的な物語の方が面白い。
ところで御料理人と言えば、熊本藩を舞台とした山本周五郎の「よじょう」という短編小説があった。随分昔に父の蔵書か何かで読んだので記憶もおぼろげなのだが。もっともこちらの御料理人は、こともあろうに宮本武蔵に斬りかかってあっさり斬殺されてしまう。で、その息子がとんでもないぐうたら息子で、勘当されて乞食のような生活をしているのだが、どこでどう間違ったか、かの宮本武蔵を親の仇と狙う感心な息子と、人々から勝手に思い込まれてしまう。というような話で、山本周五郎の短編小説の中では傑作と評価が高いようだ。いずれこれもドラマ化されるかもしれない。ちなみに「よじょう」というのは中国の故事に倣った言葉だが、この短編小説の肝なので、あえて説明はさけたい。