徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

「ひえつき節」の歌詞問題

2019-04-04 21:36:34 | 音楽芸能
 わが家では35年ほど前から「ファミリーニュース」なるものを発行している。各地の家族から隔月で近況などを伝えてもらい、それをまとめて新聞形式にし、家族に送り返している。今月、姉からの寄稿文の中に春の花として山茱茰(さんしゅゆ)が紹介されていた。そして解説の中に、あの民謡「ひえつき節」で唄われる「♪庭の山しゅうの木」というのはこの山茱茰のことだと書かれていた。姉に電話してその情報の出どころを確かめると知人からそう聞いたという。実はこれ、数年前にだいぶ流布していた説だが、その後、民謡発祥の地、椎葉村あたりでは山椒(さんしょ)のことを「さんしゅ」と発音することから山茱茰説は否定されて収束したかと思っていた。「しょ」を「しゅ」と発音するのは熊本あたりでも同じで、わが家の近くの「柳川小路」は公的文書にも「やながわしゅうじ」とルビがふられる。これは地元住民がそう発音していたからで、現にわが祖母などは「しょ」と「しゅ」の区別がつかなかった。ちなみに、山茱茰の木が朝鮮から日本に入って来たのは江戸時代の中頃で、この歌に歌われる平家落人伝説の那須大八や鶴富姫の時代にはまだなかったそうだ。

▼ひえつき節

2015年5月16日 熊本城本丸御殿 春の宴にて 花童くるみ(現はつ喜月若)さん