徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

「ムーン・リバー」余話

2019-04-03 19:57:02 | 音楽芸能
 先日BSプレミアムで放送された「いだてんコンサート」で、綾瀬はるかが「自転車節」を歌った後、もう1曲歌うというので「赤いスイートピー」でも歌うのかなと思ったら、なんと「ムーン・リバー」だという。臆することもなく、カタカナ英語で歌いきるあたりは彼女らしくていい。
 「ムーン・リバー」は言わずと知れたオードリー・ヘプバーンの代表作の一つ「ティファニーで朝食を」の主題歌であり、オードリー自身も劇中、窓辺でギターを爪弾きながら歌うシーンが忘れられない。この「ティファニーで朝食を」を、熊本の手取本町にあった映画館大劇で見たのは高校1年生の時だった。オードリーの映画はそれまで何本も見ていたが、特別好きなスターというわけでもなかった。しかし、僕の2級上の高校大学の先輩に、オードリー大好きの方がおられ、だんだん僕もその影響を受けるようになった覚えがある。トルーマン・カポーティ原作の「ティファニーで朝食を」は、もともとマリリン・モンロー主演で映画化が企画されたという。モンローがオファーを断わったため、オードリーに役が回ってきたが、結局、この映画は「ローマの休日」と並ぶオードリーの当たり役となった。そして、この映画を語る時に忘れてはならないのがヘンリー・マンシーニの音楽だ。イタリア系アメリカ人のマンシーニが作る音楽は、洗練された響きの中に、どことなく「せつない」イタリア民謡を感じさせる時がある。イタリア人歌手のニコ・フィデンコなども「ムーン・リバー」をカバーしているが、なかなか味があってよい。


ニューヨークの宝飾店ティファニーの前で、デニッシュとコーヒーの朝食をとるオープニングシーン


窓辺でギターを爪弾きながら「ムーン・リバー」を歌うシーン