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かつて、日本のマラソンは多くの名選手がオリンピックやその他の国際大会で活躍し、日本のお家芸とも言われていた。1964年の東京五輪では、陸上競技の日本のメダル獲得はマラソンの円谷幸吉の銅メダルのみ。その次のメキシコ五輪でもマラソンの君原健二の銀メダルのみという、まさにマラソンが日本陸上を支えていた。しかし、今の日本マラソンのレベルは上位入賞にはほど遠い。
陸上競技は世界のスポーツ。常に世界を意識し、目指して行かなければならない。一方、駅伝は、世界から見ればローカルなスポーツでしかない。ローカルなレベルでトップになることにうつつを抜かしていて世界のレベルに届くわけがない。駅伝で優勝することで自分は満足だという選手ならそれでいいだろう。しかし、世界を目指すべき資質を持った選手が埋もれてしまってはいないだろうか。瀬古さんの念願がかなうことを祈ってやまない。