温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

泰安温泉 錦水温泉会館

2023年02月04日 | 台湾

(2023年1月訪問)
引き続き台湾苗栗県の温泉を訪ねます。台湾にはたくさんの温泉地がありますが、なかでも近年注目されているのが泰安温泉です。最奥部には日本統治時代に上島温泉と呼ばれていた「警光山荘」の古い温泉があるほか、渓谷に沿って広がる温泉地には高級路線のリゾートホテルや新しい施設などが建ち並び、緑豊かな自然環境と相まって、魅力的な温泉地として人気を博しています。拙ブログでも以前に泰安温泉の施設をいくつか取り上げたことがありますが、今回ご紹介するのは「錦水温泉会館」です。
2023年1月の台湾旅行では、宿泊したい温泉ホテルの候補を予め挙げていたのですが、具体的な日程が決まらなかったため予約が出遅れてしまい、しかも旅程が旧暦の「尾牙」つまり忘年会の時期と重なってしまったため、宿泊を予定していた1月上旬の週末は多くのホテルで満室となり、希望のホテルはどこも予約不可能でした。そんな中、台湾中部の温泉ホテルでそれほど高額ではない価格帯で予約可能だったのが「錦水温泉会館」だったのです。


場所は汶水溪という川に沿って東西に伸びる泰安温泉のちょうど真ん中。以前拙ブログで取り上げたことのある「騰龍温泉山荘」の川を挟んだ真向いに位置しており、メインストリート沿いなので分かりやすい立地です。泰安温泉は公共交通機関でアクセスしにくいため、私はレンタカーで当地を訪ねたのですが、難儀したのがこのホテルの駐車場。建物の2階に駐車場が設けられているのですが(フロントは1階)、とにかく狭くて駐車に苦労します。大きなSUVのお客さんは、隣の車や柱に当たりそうになりながら、何度もハンドルを切りかえして、長い時間をかけて枠内に車を収めていました。この駐車場の狭さが嫌でしたら、屋外に車を停めてしまいましょう。


訪問時、ロビーはバスで乗り付けた団体客でごった返していました。おそらく企業主催の「尾牙」(忘年会)かと思われます。そんな団体さんを掻き分けながらフロントデスクへ向かってチェックイン。フロントの方は英語が話せたので、スムーズに手続きを済ませることができました。
今回私が宛がわれたのは上画像のお部屋。広くて明るい室内にはキングサイズのベッドが据え付けられています。もちろんWifi完備。なお客室のバスルームに引かれているお湯は、おそらく温泉かと思われます。詳しくは本記事の後半で触れます。


窓の外には小さなテラスがあり、川の対岸には「騰龍温泉山荘」が見えます。この窓を開けていると山の清らかな風が室内に入ってきて、とっても心地よいんです。

●戸外温泉区

泰安温泉では多くの施設で水着着用の露天風呂を利用できます。もちろんこのホテルにもありますので、入ってみることにしました。こちらでは戸外温泉区と称しており、傾斜地に沿って段々に浴槽類が設けられています。


といっても、日本的な温泉をイメージすると期待外れ。いわゆるスパ施設と言うべきもので、打たせ湯、入浴剤入りのお風呂、サウナ、水風呂、赤外線を浴びるゾーンなど、アトラクション的な浴槽が多く、温泉を感じるようなものではありません。


階段を昇りつめた最上段の浴槽でようやく純粋な温泉浴槽を見つけました。無色透明のお湯に入ると滑らかなツルスベ浴感を実感できるのですが、植栽や囲いなどのため、高台にあるにもかかわらず眺めはそれほど良くなく、しかもお湯自体もあまり面白くないため、わざわざここへ入りに来るほどの価値があるかどうか、私にはちょっと疑問でした。

●9階の個室風呂(景観湯屋)

一方、9階にある個室風呂「景観湯屋」では満足のいく湯浴みが楽しめました。宿泊客は無料で1回(1時間)利用することができます。利用に際しては予約する必要があるので、私はチェックイン時にフロントで予約し、その時にもらった予約券を手にして9階に向かうと、エレベーターを降りたところに専用カウンターがあり、そこにいるスタッフに券を渡すことで、そのスタッフがお風呂へと案内してくれました。9階は実質的に屋上であり、この屋上には上画像のようにたくさんの個室風呂(家族風呂)が並んでいます。


私が案内された個室は17号室(上画像)。木造の個室に2人サイズの浴槽があり、既にお湯が張られていました(利用の都度、スタッフがお湯を張り替えるようです)。窓を開けるとしっかり風が入ってきますので、半露天風呂状態で入浴することができました。なお壁に設置されているボタンを押すとジャグジーが作動するのですが、騒々しいので私はジャグジーを止めて湯浴みしました(ボタンを右に回すと止まります)。もちろん個室ですので水着を着用することなく、全裸で入浴できます。

こちらのお湯では重曹泉的な清涼苦味がやや感じられたほか、ツルスベの滑らかな浴感がしっかりと肌に伝わり、特にボディーソープで体を洗った後に温泉のお湯で洗い流そうとすると、重曹の効果によってツルスベやヌルヌルにブーストがかかり、いつまでもボディーソープを洗い流せた感じがしないほど、温泉の持つ浴感が強調されました。これは客室のシャワーに引かれている温泉でも同様であり、一見すると特徴が無さそうなお湯でありながら、実は隠れた実力の持ち主だったわけです。


個室風呂の窓からはこのような感じで周囲の温泉ホテルや景色が眺められます。
この時は皓々と輝く丸い月を見上げ、多幸感に満たされながら温泉を楽しみました。

●食事

今回の宿泊では夕食・朝食ともにホテルでいただきました。朝食は宿泊料金に含まれているのですが、夕食は別途料金がかかります。ホテルの食事は比較的高いので、本当は外に出て食事しても良かったのですが、この時は出かけるのが面倒になってしまったので、ホテルでいただくことにしました(チェックイン時に予約)。お食事は夕・朝ともに上画像の大広間(3階だったかな?)でいただきます。


お銚子に入った食前酒が意外と美味しく、調子に乗って銚子一本あけてしまいました。


料理はコースで提供されます(コースはいくつか選べます)。この日の献立は、ガチョウを塩味で蒸したもの、牛肉をザーサイで煮たようなもの、野菜と海老の炒め物、蒸しキャベツ、大根や豆腐とテールのスープといったラインナップで、おそらく客家料理かと思われます。なかなかの美味でした。


朝はバッフェスタイル。私のような個人客のほか団体さんも入り混じり、朝食会場は大混雑。


並んでいる料理はいずれも台湾的なものが多かったように記憶しています。
品数が多いので、全てを制覇しようとするとお腹がはちきれるかも。


碳酸氫鈉鹽泉(ナトリウム-炭酸水素塩泉) 35℃ pH8.48 成分総計1639.4mg/kg
Na+:442.5mg,
Cl-:16.6mg, HCO3-:1135.0mg,
H2SiO3:24.3mg,

苗栗県泰安郷錦水村横龍山72号
ホームページ

日帰り入浴
戸外温泉区(露天風呂)350元(水着・水泳帽必要) 7:30~21:00
景観湯屋(貸切風呂)350元/1時間+200元(清掃費) 8:00~20:40

私の好み:★★
コメント
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