温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

宮ノ下温泉 太閤湯

2023年03月08日 | 神奈川県

(2022年4月訪問)
拙ブログは私が行き当たりばったり的にご紹介しておりますので、有名なのにご紹介が漏れていた温泉施設も数多くあります。箱根の宮ノ下温泉にある公衆浴場「太閤湯」もその一つ。てっきり取り上げていたつもりだったのですが、記事を振り返ってみたところ「太閤湯」の「た」の字も見当たらなかったので、今回ご紹介させていただきます。

宮ノ下の「太閤湯」には私が温泉巡りをするようになってから何度か利用しているのですが、それからしばらく足が遠のいていました。特に理由はないのですが、灯台下暗しと申しましょうか、どうしても遠方の温泉を優先するばかり、箱根など近場の温泉は優先順位が下がってしまうのですね。今回はおそらく約20年ぶりの再訪ではないかと思います。

以前は箱根という観光地にもかかわらず常連さん相手の共同浴場という感が強く、他所者が利用するとつっけんどんな対応をされることがしばしばでしたが、現在は諸々の体制が変わったらしく、国道1号には観光客に浴場の存在をアピールする看板や幟が立つようになりました。なお国道からはわかりにくいのですが、奥の方に3台分ほどの駐車場もあります。

久しぶりの再訪なので浴場の様子をほぼ忘れかけていたのですが、それでも建物を目の前にして違和感というか、以前と異なる印象を受けました。外観が綺麗になっているばかりか、明らかに以前と比べて湯屋がスッキリしているのです。その場で以前の画像を検索してみたところ、かつてはいかにも増設した感が強いプレハブと思しき2階部分があったのですが、外装改修に当たり2階部分を完全に取り払ってしまったようです。これによって外観が大幅に変わったんですね。


外観は大きく変わりましたが館内は昔のまま。以前はぶっきらぼうな年輩の方が番台にいらっしゃったような記憶があるのですが、現在は東南アジア系の若い女性が店番をしており、実に愛想よく接客してくださいました。時代は変わったんだと実感します。

男湯は奥の方にあり、脱衣室の先には2つの浴室に分かれています。脱衣室の右手にあるドアを開けると小浴室、左手のドアを開けると大浴室につながります。脱衣室内に用意されている施錠可能なロッカーは5個か6個程度であり、全部の棚に鍵が掛けられるわけではないので、その辺りは運次第なのかもしれません。室内には扇風機が取り付けられている他、天井からドライヤーがぶら下がっていて無料で使えます。


大小どちらの浴場を使っても良いのですが、今回は大浴場を利用させていただきました。窓から燦燦と春の陽が射し込む明るい室内には、しっかりとお手入れされている綺麗なタイル張りのお風呂がひとつ据えられています。浴槽は台形のような歪な四角形をしており、縦2.5m×横1.5mほどでしょうか。4人は入れそうな容量がありますが、訪問時はひたすら独り占めできて幸せでした。浴槽には無色透明のさらりとしたお湯が掛け流されています。


この大浴場は早川が深く刻んだ谷に面しており、窓からは向かいの山を眺められます。訪問時は窓を開けて半露天風呂状態にし、新緑の中で咲く山桜を鑑賞しながら湯浴みを楽しませていただきました。


洗い場にはお湯と水の水栓の組み合わせが3ヶ所設けられています。石鹸類の備え付けは無いので、持参するか番台で購入するか、いずれかになります。番台にはタオルやボディーソープがセットになった「手ぶらセット」が250円で販売されていますので、入浴グッズを持参せず行き当たりばったりで太閤湯に入ることもできますね。


浴槽の温泉は専用の蛇口から投入されており、そのコックを開けると源泉がたくさん投入されますので、ご自身のお好みに合わせて湯量を調整することが可能です(とはいえ公共の場ですから、極端な熱さやぬるさは避けましょう)。なお温泉の蛇口にはパイプがはめられており、熱いお湯が底面で供給されるようになっています。これによって湯船の温度均衡を図っているのでしょう。

以前に入浴した時はすごく熱かった記憶があるのですが、今回は温泉の投入量が絞られていたためか、入りやすい温度というか、むしろ若干ぬるめでしたので、蛇口を開けて源泉を大量投入させてもらいました。これにより完全かけ流し状態。癖が無く滑らかで体を優しく包んでくれるような、実に心地良いお湯で、いつまでも浸かっていたくなりました。やっぱり宮ノ下のお湯は良いですね。


お風呂上がりに小浴場も見学。
もちろん大きなお風呂と同じお湯が使われています。


お風呂上がりは、小さな冷蔵庫に入っている三ツ矢サイダーで喉を潤しました。なお代金は番台へ直接支払います。この冷蔵庫には三ツ矢サイダーのほかバヤリースなど懐かしい銘柄の瓶ジュースが売られていました。このレトロな感じもうれしいですね。

今回再訪して個人的な心理障壁が下がり、以前よりはるかに利用しやすくなったように感じました。
箱根はいつでも気軽に行ける場所なので、また気が向いたらふらっと太閤湯へ出かけてみようかと考えています。


太閤湯(温泉村第28・29号混合)
ナトリウム-塩化物温泉 63.9℃ pH7.8 溶存物質1.321g/kg 成分総計1.324g/kg
Na+:341mg, Ca++:40.5mg,
Cl-:545mg, SO4--:60.7mg, HCO3-:144mg,
H2SiO3:134mg, HBO2:19.5mg,
(平成30年3月5日)
加水あり(源泉温度が高いため)
加温循環消毒なし

神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下223
0460-82-4756

13:00~21:00(受付20:30まで)、第2・第4の火曜及び水曜定休
600円
ロッカー、ドライヤーあり。石鹸類販売あり(備え付け無し)

私の好み:★★★
コメント
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