(2023年9月訪問)
1年半前の訪問記で申し訳ございません。
山形県の庄内地方を代表する温泉地であり城下町鶴岡の奥座敷でもある湯田川温泉。拙ブログではこの湯田川温泉を何度か取り上げています。2023年9月某日、東北屈指の名峰である鳥海山を登頂した後、私は湯田川温泉の「理太夫旅館」で一晩過ごし、登山で疲れた体を癒したのでした。
木造三階建ての館内に入りますと、玄関や帳場の周りにはたくさんの吊るし雛が飾られていました。
鶴岡市内ではないものの、同じ庄内藩の港町である酒田は吊るし雛で有名なんですね。
今回通された客室は3階の和室。綺麗に維持されているので、快適に過ごせます。なおトイレや洗面台は共用設備を使います。
温泉街を見下ろす客室の窓からは、湯田川温泉のランドマークである「正面湯」が見えますね。
この画像を撮った時は、お風呂上がりの常連さん同士が汗をぬぐいながらベンチに座っておしゃべりしていました。
夕食は別室にていただきます。山海の旬の味覚をふんだんに使ったお料理はいずれも美味。ビールがすすみます。
朝食も同じお部屋で。彩り鮮やかで且つ美味しく、その日の活力をしっかり摂ることができました。
さてお風呂へ参りましょう。1階の階段下から奥へ進んだ奥にあり、男女別の浴室、そして貸切風呂が1室ずつあります。
この画像は男湯の様子。浴室の中央には、直径2メートルほどのタイル張り真円形浴槽がひとつ据えられており、無色透明の綺麗なお湯が張られています。洗い場のシャワーは1つだけ。掛け湯する際には桶で湯船のお湯を汲んじゃったほうが早いかと思います。
ところで、湯船の向こう側にある奥のドアは何だろう?
更衣室に貼られた説明によれば、ドアの向こう側はなんと別の旅館につながっているんだとか。複数の宿で1つの共同浴場を管理使用するケースはたまに見られますが、旅館に内包されたひとつの浴室を隣接する2つの宿で共同使用する構造って他に例があるかしら。非常に珍しい造りですね。
周りに真っ白な析出を蓄えた黒い湯口は、絶え間なく湯船へお湯を注ぎ続けていました。こちらへ引かれている源泉は湯田川1号。無色透明でほぼ無臭ですが、口に含むと石膏の甘味と少々の芒硝味が感じられます。なお硫黄感は特に得られませんでした。加温加水循環消毒など一切無い完全掛け流しの湯使いで、湯船の温度は41℃前後と言う素晴らしい湯加減。非加水非加温でこの湯加減なのですから最高じゃないですか。あまりに極上な浴感のお湯だったので、私はすっかり虜になってしまい、宿泊中に何度もこのお風呂に入ってしまいました。湯田川の湯は最高ですね。
ちなみにこちらは貸切風呂です。空いていれば使用可能のようです。
湯田川温泉といえば「正面湯」と「田の湯」という2つの共同浴場がありますが、宿泊者の特権としてこれらの共同浴場へ無料で入ることができます。共同浴場のカギは受付にあり、午前8:30~11:00の清掃時間以外は自由に使えます。
料理もおいしく、お風呂も最高。山形県の温泉宿はどこも素晴らしいところばかりですが、とりわけ湯田川温泉は良いですね。
今回もその認識を改めて確認できました。
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉 42.2℃ pH8.7 蒸発残留物1070mg/kg 溶存物質1169mg/kg
Na+:207.8mg, Ca++:148.0mg,
Cl-:54.4mg, SO4--:694.8mg, HCO3-:13.1mg, CO3--:3.2mg,
H2SiO3:40.5mg,
(平成26年7月31日)
山形県鶴岡市湯田川乙51
0235-35-2888
ホームページ
日帰り入浴11:00~14:00
500円
私の好み:★★★
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