peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

根茎性ベゴニア・「レプリカーン」

2007年12月19日 | Weblog
「世界の椿館・碁石」の根茎性ベゴニア「レプリカーン」
 2007年12月7日



2007年12月7日(金)、大船渡市末崎字大浜にある「世界の椿館・碁石」
の大温室に、鉢植えの根茎性ベゴニア「レプリカーン」と思われる植物が
置かれていました。




根茎性ベゴニア「レプリカーン」
シュウカイドウ科 シュウカイドウ(ベゴニア)属
Begonia Boutigue×Tiger Kitten
「レプリカーンLeprechaun」は英名。常緑の非耐寒性多年草
(根茎性)。
誠文堂新光社発行「ベゴニア百科」(日本ベゴニア協会・編)
の「根茎性ベゴニアRhizomatous Begonia」一覧には、103とし
て、下記の通り記載されています。
種名、品種名(Species,Hybrid Name):Leprechaum(レプリカーン)
類別(Type of Rhiz.):横走 M.、原産地、交配親(Origin or
Parents):Boutigue×Tiger Kitten、発見者、育成者(Discoverer
or Hybridizer):ウッドリフ(L.Woodriff)、発見年発表年:1978年
葉形(Form of Leaf):卵形、4~5浅裂、花色(Color of flower)
:白、葉の大小(Leaf Size):小、s、備考(生理・生態的特性、
栽培上の問題点など):葉は黄緑色で、葉脈に沿い黒褐色模様が
幅広く入る。葉の基部に軽い渦を巻く小型の美葉種。
………………………………………………………………………………
「根茎性ベゴニア(Rhizomatous Begonia)」の原種は、メキシコを
中心に、ブラジル、コロンビア、ペルーなど中南米のものが多く、
19世紀中頃から盛んに採取されてきたとのこと。

根茎性ベゴニアが初めて記録に表れたのは、1783年西インド諸島で
ラマルクによって発見されたB.rotundifolia(ロトゥンディフォー
リア)だとされている。

茎が地を這うように横に伸び、多肉質で太く、節から上方に葉を伸
ばす。地面に接している茎の部分から根を出す「根茎」と呼ばれる形
態をもつことから「根茎性ベゴニア」に分類されている。
「レックスベゴニア」同様に葉の美しい種が多く、葉の大きさや形、
色や模様の変化がこの仲間を特徴付けている。

花は全て一重で小輪のものが多く、冬から春にかけて長く細い花柄
を伸ばし、先端に小振りの花房を作って開花する。花色は、ピンク、
白、淡緑黄色など赤の強いものや色彩の強いものは少ない。アフリカ
産の幾つかの種には黄色い花を咲かせるものがあるとのこと。

茎の節間が詰まり多肉化して、ワサビ状になって、地面を這ったり立
ち上がったりしながら分岐して広がり、こんもりと纏まる形のもので、
葉の美しいものが多い。そしてボウエレやマソニアーナのように根茎
が横に這って伸びるものが多く、これらを「横走根茎型(horizontal
-rhizome type)」という。

なお、根茎性ベゴニアである「レックス(B.rex Putzeys)に、種々
のベゴニアを交配し、さらに交配を重ねてきた一群のベゴニアを、園
芸的には根茎性ベゴニアとは別に分けて「レックス・ベゴニア(rex-
cultorum)と呼んでいる。

「世界の椿館・碁石」のツバキ(椿)・ロビラキ(炉開き)

2007年12月19日 | Weblog
「世界の椿館・碁石」のツバキ(椿)・炉開き(ろびらき)
 2007年12月7日




2007年12月7日(金)、大船渡市末崎町字大浜にある「世界の椿館・碁石」
の大温室に植えられた「炉開き(ろびらき)」という椿が、ピンク色の花
を咲かせていました。



「世界の椿館・碁石」のツバキ(椿)・ロビラキ(炉開き)
2006年12月14日



2006年12/14(木)、大船渡市末崎町にある「世界の椿館・碁石」
の「日本産の椿」コーナーに「ロビラキ(炉開き)というツバキが
花を咲かせていました。
名札には、「炉開き(ろびらき)花期:9~3月、花色:桃~淡桃色。
大きさ:極小輪、山地:新潟」と書かれていました。






「世界の椿館・碁石」のツバキ(椿)・ロビラキ(炉開き)
ツバキ科 ツバキ属
Camellia rusticana ×camellia sinensis
誠文堂新光社発行の「日本ツバキ・サザンカ名鑑」(日本ツバキ協会
・編)には、下記の通り記載されています。
 炉開き(ろびらき)新潟 [花]淡桃~桃色の一重、平開咲き、茶芯、
極小輪、9~4月咲き。[葉]長楕円、小形。[樹]叢生、密生、強い。
[来歴]ユキツバキとチャの自然雑種。栃尾市の民家より甲政治が採集、
1980年に加藤英世の命名・発表。

なお、下記のWebサイト等に詳しい情報が記載されていますが、

http://www.pref.saitama.lg.jp/A06/BQ23/01/gallery/gallery-robiraki.html
[埼玉県農林総合研究センター茶業特産研究所:フォトギャラリー”茶”/炉開きの花]
http://aquiya.skr.jp/zukan/Camellia_cvs.html[ツバキ属の交配種]

要約すると、

「ロビラキ(炉開き)」は、ユキツバキ(Camellia rusticana)とチャ(Camellia sinensis)の自然交配雑種で大変珍しいものである。花や葉の特徴がユキツバキとチャの中間的形質を示しており、ツバキになくてチャにあるカフェンやテアニン等の成分が含まれている。
 原樹は新潟県栃尾市で発見され、1975年頃から注目されたが、誕生は100年以上前と推定されている。
 花は直径4cm程度で5~6弁の一重平開咲き、淡ピンク~ピンク色を呈し、開花は9~11月の秋が主体だが、一部は翌春(4月ごろまで)にも見られる。(花にはチャの花よりも弱いが、チャの花に似た香りがある。)

ユキツバキとチャは種が異なり、また、ユキツバキは春咲き、チャは秋咲きなので、自然の状態での交配は難しいと考えられるが、雪の多い栃尾市ではチャは雪に埋もれたまま越冬し、春に咲くこともあり、付近のユキツバキと交配したという説と、逆に秋咲きのユキツバキとチャとの交配という説がある。

 品種名の「炉開き」は、茶道において風炉を閉じて地炉を開く11月の行事「炉開き」の頃に花が満開になるのにちなんで1980年に命名されたもの。