2015年12月26日(土)、一関市川崎町生まれの著者・山川修平氏の著書『小説 北上川』(三一書房発行、2015年10月21日 第1版第1刷発行)を読みました。一関市川崎町生まれの妻が買い求めたものです。この小説の主人公は、菅原信一といい、「十代後半、肺結核のため長期療養生活を送る。21歳で高校入学。」の著者自身がモデルのようです。
”あとがき”にある通り、本編は、1985年『早稲田文学』5月号に発表した「きささげ」(70枚)と、1985年秋「第39回岩手芸術祭県民文芸入選作品集」に、優秀賞として発表された『死の弦』(30枚)を解体し、その素材を活かしつつ、さらに新しい素材を加えて長編作品(230枚)にしたものです。
著者は「1936年岩手県一関市川崎町生まれ」ということですから、私より3歳上ですが、私も同時代を少年時代を生きて来た者として共感をもって読了しました。戦中戦後の激動の時代、戦争で父を失い、その上、肺結核のため長期療養生活を送るなど大変な苦労をされたようです。小説では、家族(母と祖母、弟)の絆が綿密に描かれておりその強さに感動しました。
著者の他の作品[『山川修平作品集・死の周辺』(小説社)、『人間の砦』、『白磁の画家』(三一書房)]も読んでみたくなりました。