2016年2月7日(日)、岩手県立博物館(盛岡市上田字松屋敷34)で開催中[2016(平成28)年1月14日(木)~2月28日(日)]の特別展「発掘された日本列島2015 新発見考古速報」&「海に生きた歴史~復興発掘調査が語る一万年の海との共生~」[2016(平成)28年1月14日(木)~3月6日(日)まで]を観に行ってきました。
「発掘された日本列島2015」は、文化庁などが主催するもので、埴輪など埋蔵文化財などが大好きな妻に連れられて、ここ数年毎年観に行っているものです。
ことしは、「新発見考古速報」19遺跡412点の速報展示のほか、次の2つの特集も展示していました。特集1 復興のための文化力~東日本大震災の復興と埋蔵文化財の保護~(7遺跡)、特集2 全国史跡整備市町村協議会50周年記念(2遺跡)。
「写真撮影可」だったので、沢山写真を撮ってきましたが、展示物の大部分が、見終わってから売店で購入してきた下記の書籍に綺麗な写真付き掲載されていました。
「発掘された日本列島2015 新発見考古速報」は、旧石器時代の遺跡から順に展示されていました。最初の遺跡は史跡福井洞窟(長崎県佐世保市)。旧石器時代から縄文時代へ文化の変遷を見届けた洞窟です。
(上と下)主に安山岩製の石器や黒曜石の剥片が出土(13層、14層)
縄文時代の遺跡の最初は小竹貝塚(おだけかいづか、富山県富山市)。日本海側最大級の貝塚で、国内最多となる91体の人骨を発見!
(上)76・77号人骨:埋葬方法はいずれも屈装で、写真右の77号は石を両腕で抱きかかえた抱石葬。見つかった91体の人骨のうち、体を伸ばした伸展葬は1体だけで、ほかに乳児を埋葬した土器棺も見つかっている。
(上)イノシシ形土製品:長さ7.5㎝、幅3.9㎝。国内最古のイノシシ形土製品。どちらが顔かははっきり分かっておらず、胴部に小穴を横方向に4列並べ、幼年のイノシシであるウリボウの縞模様を表現している。
(下)筒型三足器(つつがたさんそくき):高さ39.3㎝、直径9.5㎝。木の種類はムクロジで複数の未成品が出土。作り方には、先に筒形をくり抜くものと、先に三足を作り出すものの2系統ある。
オオツタノハ製貝輪:長さ6.4㎝。オオツタノハは南西諸島・伊豆半島以南で産出する、笠の形をしたカサガイの一種。この貝輪(貝製のブレスレット)は交易でもたらされたと考えられ、45号人骨(青年期男性)のそばからベンケイガイ製の貝輪とともに出土した。
(下の左上)ツキノワグマの牙製の垂飾り:長さ6㎝。26号人骨(身長160㎝ほどの青年期男性)の胸部から石匙(いしさじ)と共に出土。アクセサリーとして装着した状態で埋葬されたと考えられる。
(下)漁労具:左側の2点は、上端部のくぼみに釣り糸を縛って単式で用いられた釣針。上の1点は軸部と組み合わせる針部に相当。右の2点は、ヤス状刺突具。右側は長さ7.5㎝。