peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

一関市東山町松川のオニユリ(鬼百合) 2016年7月8日(金)

2016年07月10日 | 植物図鑑

2016年7月8日(金)一関市営松川住宅(東山町松川字台)に隣接する場所に建つ民家の門口に植栽されているオニユリ(鬼百合)が、花を沢山咲かせていました。

 オニユリ(鬼百合)ユリ科 ユリ属 Lillium lancifolium

田の畔(あぜ)や土手などに生える多年草。鱗茎を食用にするため、栽培されることも多い。日本のものは、中国から古い時代に渡来したという説もある。高さは1~2m。茎は紫褐色を帯び、若いときは白い綿毛がある。葉は多数つき、長さ5~15㎝の披針形。葉のつけ根に紫褐色のむかご(珠芽)がつくのが特徴。(種子はできないが、このムカゴによって殖える。)7~8月、多いものでは20個近くの花が茎の上部につく。は直径10㎝ほど。分布:北海道~九州。[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑2・夏の花」より]


一関市川崎町のヒメアジサイ(姫紫陽花) 2016年7月8日(金)

2016年07月10日 | 植物図鑑

ヒメアジサイ:開花時期 6月上旬~下旬 花が優美であることから名づけられました。葉に光沢のない大型のテマリ花で、花色涼しいルリ色をしています。このルリ色はエゾアジサイからきているというのが通説で、ホンアジサイとは異なります。無毛で丈夫な、どこにでも育つ強い種類で、海外へも渡り、母種になっています。[家の光協会発行「魅惑のアジサイ~名所と自生地を巡る」より]

 2016年7月8日(金)、「川崎あじさい公園まつり」が開かれている一関市川崎町門崎(かんざき)の川崎あじさい公園に行ってきました。川崎図書館に行ったとき、ポスターを観て知ったのですが、JR陸中門崎駅から100mほど離れた道路沿いに造られていました。植栽されているアジサイ(紫陽花)は、「カシワバアジサイ(柏葉紫陽花)」「ミナヅキ(水無月)」「アナベル(アメリカノリノキ)」「ヒメアジサイ(姫紫陽花)」「クレナイアジサイ(紅紫陽花)」の5種類だけのようでしたが、沢山植栽されていて見応えがありました。(クレナイアジサイは見かけませんでした。)

ヒメアジサイ(姫紫陽花)アジサイ科 アジサイ属 

「アジサイ」の名は昔からありましたが、「ヒメアジサイ」の名は、戦後各地にあるあじさい園ができた頃から一般に知られるようになりました。現在でもホンアジサイ(在来のアジサイ)とヒメアジサイを混同している人が多いようです。

「ヒメアジサイ」の名の発祥は、昭和のはじめ、牧野富太郎博士信州から東北にかけて植物の採集旅行をした際、信越地方で植栽されているこのアジサイに注目、自宅の庭に移したといわれています。現在は高知県の牧野植物園に移植保存)

昭和4年に「我邦ニ一種のあぢさゐガアッテ人家に植栽セラレテオリ、私ハ之ヲひめあぢさゐト呼ンデイルガ、其レハ多少小ガラデ何ントナク優美な一品デ普通ノあぢさゐト外観は能く類似シ一見殆ンド見分ケ難イ姿ヲ呈シテヰルガ、此品ハ其系統全クあぢさゐト違ッテ、野生ノ或ル品カラ出タモノデアルト信ズベキ理由ヲ有シテヰル…」と「植物研究雑誌」に載せています。以上のようにヒメアジサイは一つの種として扱われています。

植栽されていた場所は不明ですが、新潟県十日町市の多田 滋氏は県内某所の庭のヒメアジサイを撮影し、牧野博士が発見した往時を再現しました。多花性のなかなか優雅な姿で、おそらく1株か2株が叢生して広がったものと思われます。

 また、「改定増補牧野新日本植物図鑑」に初めて記載され、[日本名]花が普通のアジサイより女性的で優美なので姫アジサイと名付けたもの、となっています。ヒメアジサイは花の形に特徴があり、往々にして5個の花房に分かれ、ゴツゴツした形になります。この特徴は、水分不足のときには顕著に現れます。

 牧野博士と縁の深かった神戸市立森林植物園では、ヒメアジサイ(牧野植物園増殖のもの)が保存園でその優雅な姿を今も見せています。以下省略。[栃の葉書房発行「別冊趣味の山野草・あじさいを楽しむ」より]