以前、「NHKスペシャル」(なんだかんだ言っても
NHKのドキュメンタリーは質が高い)で、日本の伝
統技術の、道具がなくなっている現状を追うというテ
ーマで、輪島の蒔絵を取り上げていた。
細かい葉を描くために、専用の筆が必要なのだが、そ
れは特殊な毛で出来ている。
川辺に生息する、ある鼠の毛で無くては駄目なの
だ。
その、ある鼠がいなくなってしまったらしい。
環境の変化で。
同じような理由で、輪島塗に関しては、十いくつかの
道具が消えつつある状態らしい。
日本全体では、千いくつかになるということだ。
こういうのこそ、国で何とかすることなんじゃないの
か。
日本独自の伝統的美を守る。
それを支えていたのは、日本の自然。
これこそが「美しい日本」に通じることなんじゃない
の、ねえあべちゃん(またそこか)。
そしたら、昨日、「尾形光琳」の蒔絵を違う番組で紹
介していた。
大胆な構図と抽象化、それに装飾性。
良いですねえ。
クリムトなんか、もろに影響されたのではないか(この
部分、勝手な想像)。
弟の尾形乾山は乾山で(こちらの方が好き)、兄のよ
うなきらびやかなところは無いが、非常に斬新な芸術
性の高い焼き物を作ってる。
それを見ると、北大路魯山人のルーツは乾山であるこ
とがよく理解できる。
才能豊かな人は、この時期いっぱいいたんだね。
しかし、まだ、乾山の本物をあまり見たことが無い。
本物を、み見たい(魂の叫び)。
質の高いものに、日々ささやかな感動を味わいながら
暮らすのと、例えば、「自己完結型感動製造装置」と
してのスポーツで、無理やり感動する(させられる)の
とでは、どちらが豊かか。
「ささやかだけれど、役に立つもの」byレイモンド.カー
ヴァーってとこか、な。