ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

PIZZA

2006年09月28日 | 食べ物


初めて食べたときから、ずっと好きなものの一つがピザ。
昔は、わざわざピザパイと言っていたが、いつしかピザ
となり、今はピッツァが正解か。
そのピッツァだが、初期に比べるとずいぶん変わって
きた。
始めは、アメリカタイプが主流だったのだが、今はす
っかりイタリアにその座を譲っている。
でも当時、シェーキーズが出来た頃は、喜び勇んで、
いったものだ。
目的は、勿論食べ放題。
死ぬほど食べた。
多分、今食べると、あの味が美味しいとは思えないこ
とは、容易に想像が付く。
しかし、若気の至り。

で、前置きが長くなったが、この辺で唯一本格的なナ
ポリ風ピッツァが食べられる店に行ってきたのだ。
「フォルマッジョ」(イタリア語でチーズ)という店。
何が本格的かというと、使ってる食材が。
生地の粉にしろチーズが、イタリアのそれに(行って
確認したこと無いが多分)限りなく近い、と思う。
生地に関しては、一時やたらと薄くぱりぱりしたもの
がもてはやされたが、はっきり言って、クリスピーな
だけで、味は全然だった。
その点ナポリ風は、もっちりし、生地そのものの味が
よく分かる。
ピッツァも、粉の味を味わうものだったんだな、と。
だから、チーズもそんなに多くいらない。
飽くまでも、粉(生地)の引き立て役。
やはり基本は「マルゲリータ」。

ここの「マルゲリータ」を食べたとき、やっと本物に
出会えた、と感激したものだが、どうも皆が皆そう感
じてるわけではないことは、あとから分かった。
つまり、生地そのものの味の違いが分からないような
のだ。
チーズ(モッツァレラではない)もたっぷり、変な味
付けの具沢山、ピ○ーラなどの方が旨いと思っている
人のほうが多いと言う事実。
流石だ。
多数派の味覚に基づいた味。
かないませんわ。

そんな状況もあり、この店は静かだ。
今回も、貸しきり状態で、BGMのコルトレーン「バ
ラッド」を聴きながら、トリッパ(牛のハチノス)と
マルゲリータ、そして自家製カモミールを飲み、まっ
たりする。
窓からは、店の畑。
盛んにキタテハが飛んでいる。
微かにフヌイユの香り。
絵に描いたような午後のひと時。

でも、今日の生地はちょっと発酵具合が今ひとつで、も
っちり感が不足。
それと、両方塩気がきつかった。
塩気に関しては、たまにあるので、そういう傾向がある
のかもしれない。
そこだけは気をつけてね、「シェフ」。
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ショートカッツ

2006年09月28日 | 映画


ジョン.アーヴィングに比べると、映画化されたのが
少ないレイモンド.カーヴァーの、唯一知ってるのが
「ショートカッツ」。
しかも、原作がレイモンド.カーヴァーであることが
分かったのは、見た後のことだった。
それでは何故、この映画に興味があったかというと、
監督がロバート.アルトマンだったから。

前にも書いたが、アルトマンは、個人的に、アメリカ
の中ではいけてる監督の一人として認定している(勿
論勝手に)。
他には、クリント.イーストウッドなど僅かしかいな
い。
で、その「ショートカッツ」なのだが、結果的には他
のアーヴィング原作物のどれよりも面白かった。
まあ、ここが監督の力量と言うことなのだが、「プレ
イヤーズ」「ショートカッツ」と、質の高い映画を立
て続けに作るアルトマンには、正直脱帽だった。

映画は、アルトマン得意の群像劇的、特定の主人公が
いない形で展開していく。
何人かの日常を、並行的に描いていく。
時に交錯しながら。
そして、それぞれが抱えている問題、病巣が、徐々に
顕在化して、最後にエイズの暗喩のような病原菌が、
皆に平等に降り注ぐ。
まるで、何かを暗示するかのごとく。
と、大まかにまとめれば、こんなところか。
こういう解釈は、それぞれが見たように感じれば良い
わけだから、何もまとめる必要はないし、好きなよう
に解釈すれば良いものだ。
だから、これも、飽くまでも個人的解釈ということ。
基本的に、単一の物語に収斂しないものの方が面白い、
というのが私の見方。

その良い例として思い出したのが、「ショートカッツ」
と同じような構成の「マグノリア」という映画。
トムクルーズなど、スターも出ていた。
しかし、「ショートカッツ」をあざとく分かりやすく
したような映画で、個人的には、アルトマンとは格が
違うな、と思わざる得ないものだった。
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