初めて食べたときから、ずっと好きなものの一つがピザ。
昔は、わざわざピザパイと言っていたが、いつしかピザ
となり、今はピッツァが正解か。
そのピッツァだが、初期に比べるとずいぶん変わって
きた。
始めは、アメリカタイプが主流だったのだが、今はす
っかりイタリアにその座を譲っている。
でも当時、シェーキーズが出来た頃は、喜び勇んで、
いったものだ。
目的は、勿論食べ放題。
死ぬほど食べた。
多分、今食べると、あの味が美味しいとは思えないこ
とは、容易に想像が付く。
しかし、若気の至り。
で、前置きが長くなったが、この辺で唯一本格的なナ
ポリ風ピッツァが食べられる店に行ってきたのだ。
「フォルマッジョ」(イタリア語でチーズ)という店。
何が本格的かというと、使ってる食材が。
生地の粉にしろチーズが、イタリアのそれに(行って
確認したこと無いが多分)限りなく近い、と思う。
生地に関しては、一時やたらと薄くぱりぱりしたもの
がもてはやされたが、はっきり言って、クリスピーな
だけで、味は全然だった。
その点ナポリ風は、もっちりし、生地そのものの味が
よく分かる。
ピッツァも、粉の味を味わうものだったんだな、と。
だから、チーズもそんなに多くいらない。
飽くまでも、粉(生地)の引き立て役。
やはり基本は「マルゲリータ」。
ここの「マルゲリータ」を食べたとき、やっと本物に
出会えた、と感激したものだが、どうも皆が皆そう感
じてるわけではないことは、あとから分かった。
つまり、生地そのものの味の違いが分からないような
のだ。
チーズ(モッツァレラではない)もたっぷり、変な味
付けの具沢山、ピ○ーラなどの方が旨いと思っている
人のほうが多いと言う事実。
流石だ。
多数派の味覚に基づいた味。
かないませんわ。
そんな状況もあり、この店は静かだ。
今回も、貸しきり状態で、BGMのコルトレーン「バ
ラッド」を聴きながら、トリッパ(牛のハチノス)と
マルゲリータ、そして自家製カモミールを飲み、まっ
たりする。
窓からは、店の畑。
盛んにキタテハが飛んでいる。
微かにフヌイユの香り。
絵に描いたような午後のひと時。
でも、今日の生地はちょっと発酵具合が今ひとつで、も
っちり感が不足。
それと、両方塩気がきつかった。
塩気に関しては、たまにあるので、そういう傾向がある
のかもしれない。
そこだけは気をつけてね、「シェフ」。