ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

寺町

2007年02月20日 | Weblog
寺町というのは、独特な雰囲気を持っている。
その大きな理由は、寺を中心にあまり再開発とかされ
ずに、道も広く、昔の状態を保っているからだろう。
つまり、その周辺だけ昔の風情が漂っているのだ。
寺そのものは、大体が立派な木造建築。
周りの民家は、その様式に無意識的に合わせたような
調和の取れた建物にするのが昔スタイル。
つまり、周りの民家が昔のスタイルで残っていればい
るほど、寺町の現代的価値は増すというわけだ。

ところが残念なことに、そういうところは年々減って
いる。
代が変わると、その住みにくさからだろうか、立て替
えられ、突如プロヴァンス風建物の出現などという事
態となる。
基本的に、周りの調和は考えずに、自分の好きなスタ
イルのみを考えて各自が建てるので、こういうことに
なる。
日本全国、どこでも同じ状況であることを考えれば、
いかに、日本的様式というものが今現在なくなってし
まっているかということだろう。
今の日本の街の普通の風景が美しいと思っている人
なんているのだろうか。
ばらばらで、しかも安っぽい。
特にひどいのが、地方の郊外。

考えてみれば、全国共通の風景がこの地方の郊外であ
る。
どこへ行っても、「Deja vu」。
ということは、これが典型的な今の日本の建築様式と
いうことになるのか。
アジア独特の、調和の無い猥雑な混沌とした風景。
というと、それはそれで魅力的な響きがあるが、日本
の場合、なんだか埃っぽいだけでエネルギーは感じな
い。
殺風景という表現の方がぴたりと来る。
こんな日本に誰がした!と言いたいところだが、皆で
したんだね、どうもこれが。
コメント