ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

松本散歩

2007年02月23日 | 食べ物


松本城を過ぎた辺りには、古い洋館などもあり、どこ
か落ち着いた雰囲気を漂わせている。
が、これといった収穫も無く歩き続ける。
区画整理され道が大分広くなっているようだ。
昔の家並みも、徐々に消えていく運命にあるのだろう。
こうやって、街は平準化されていくのである。
なるべく広い道を避けて歩く。
昼時でもあるし、ここは「スノッブなM氏」が最近お
気に入りの店にでも行こうか。

店の名前は「Porte Bonheur」。
これでポフト.ボナーと読ませる。
一般的なカタカナ表記だとポルト.ボヌールだと思う
が、ネイティヴな発音に近い方を選んだのか。
元々フランス語の発音は難しいので(特にrが)、カ
タカナ表記には無理があるのだが、あえてこの表記を
選択した理由は何なのだろう。
と、店の名前も気になるが、店内がまたシンプルで、
イメージとしては高原にでもありそうな「オーガニッ
クレストラン」という雰囲気だ。
自然素材を使ったインテリアは、余計な装飾も無く悪
くは無い。
それより初めての人は、その外見とのギャップに驚く
のではないだろうか。
外見は、全く普通の新築した民家といった感じで、店
の看板も控えめにあるだけ。
店という主張が希薄だ。
実際、営業してるのか半信半疑で扉を開けた。

第一声は「いいですか?」。
ちゃんと営業してるようだ。
昼のメニューは三種類で、「チキン」「オムレツ」「カ
レー」と完全に洋食やのそれだ。
しかし、黒板メニューには「Dejeuner」とフラ
ンス語。
しかし内容は洋食。
店名といいメニューといい、なかなか神秘的なところ
だ。
その後入ってきた常連らしき人たちは、「オムレツ」
「カレー」などを普通に頼んでいる。
これだけ見れば、完全に「街の洋食屋さん」だ。

三つのメニューの中では一番フランス料理寄りか、と
「チキングリル グリルチキン?」どっちだったか忘
れたが兎に角チキンを頼んだ。
店の人は、「スパイシーですが大丈夫ですか?」と訊
く。
スパイシーモスチキンという言葉が浮かぶ。
チキンにはスープが付く。
蕪のポタージュ。
まずそれが出てきた。
しかしそれは、見た目も味も洋食やのポタージュでは
なかった。
非常に丁寧に作られていて、クリーム系は少なく、蕪
の味が良く生かされたスープだった。
ベースのスープも良いのだろう、やや塩味は薄く、飲
み終わったときに丁度良いという絶妙な塩の使い方。
レベル高いぞ、と感じた。
コメント