唯一見ているテレビドラマは、NHK朝の連続テレビ小説であることは過去にも書いたことがあるが、これは、このドラマが特別質が高いから見るとかそういう訳ではなく、時計代わりに習慣化されているからというのが主な理由である。だから、過去、視聴率が低いとかいろいろ批判されていたようなドラマも、特別な感想もなく普通に見ていた。ここのドラマに期待するのは、そこそこのリアリティ(本当っぽさ)、基本前向き、深刻さが長引かない、そして出来ればヒロイン(基本的には主人公は女性)が可愛い、とそんなところである。過去のドラマは大体このポイントを押さえていた。唯、例外もあり(個人の基準での話)、天花というのと本仮屋ユイカが主演のものは途中から見る気がなくなった。天花は、主演の新人の女の子があまりに下手すぎたのと、内容は、と書きたいところだがそこは忘れてしまった。そして本仮屋ユイカの主演のものは、あまりに内容が暗すぎ、とても朝から見る気が起きなかった。この二本が過去10年のマイワーストである(調べてみると平成14年から見ている)。因みにベストというのは存在しない。
で、問題は今回の純と愛である。久しぶりに見る気がしないドラマの予感がするのである。ポイントである、本当っぽさが大分怪しい。登場人物のキャラクターが、かなり単純化され、まるで漫画のキャラクターである。民放でよくやる、一番下らなく幼稚と感じるドラマの作りと同じなのだ。しかも、超能力まで登場と、益々民放の深夜ドラマと変わりなくなってきている。純粋な心を持った主人公が夢に向かって突っ走る、というのがこのドラマの骨子だと思うが、その主人公が唯の馬鹿な娘にしか見えない。舞台が一流ホテルっぽいところにも関わらず、漫画のカット割のような、仕事中にしゃがんで独白とか、あまりに嘘っぽい部分が多いのだ。ここまで来ると、一体NHKは何を考えているのかと文句の一つや二つも言いたくなる。本日の回では、問題の多い上客である製薬会社の部長だかを(このやり取りがまた相当嘘くさい)懲戒免職にしたという件があったが、懲戒免職は公務員に対して使う用語なのでは、とすっかりクレーマーの気分だった。
はっきり言って、テレビドラマに、小津安二郎や成瀬巳喜男の世界を期待しているわけではない。唯、最低限のポイントだけはクリアーしてほしいと思うのだ。時計代わりとは言え毎日見る人間からすると、見る気が起きないという事態は避けたいのだ。