経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

欲望の塊りになった ビットコイン

2017-12-28 07:51:52 | おカネ
◇ 史上最大の投機商品に = 1万円札でも1000円札でも、本来はただの紙切れ。それが価値を持つ紙幣として使われるのは、政府や日銀がその価値を保証しているからだ。国民はその保証を“信用”して疑わない。このように通貨というものは、信用を基に成り立っている。それなら民間が創造しても、信用さえあれば通貨になりうる。こういう先進的な考え方から生まれたのが、いわゆる仮想通貨である。

しかも、すべての取り引きがコンピュータ内で処理される。紙幣やカードを持たなくて済むし、銀行を経由する必要もない。こうして出現した仮想通貨はあっという間に広まり、いくつもの取引所が各国に誕生した。ビットコインは、その代表的な仮想通貨の一つである。だが仮想通貨は貯蓄や取り引きに使われるだけでなく、通貨そのものの価値が需要の強さによって決められる仕組みを持っていた。

ビットコインを例にとると、多くの人が買い入れたため価格が急騰。今月17日には、1ビットコイン=1万9783ドルにまで上昇した。年初からの上昇率は、実に20倍を超えている。ところが22日には1万2500ドルを割り込み、そのあとは1万4000ドルまで回復するなど、恐ろしいほどに乱高下。実体経済にも影響を及ぼすのではないかと、多くの人たちが心配し始めた。

経済史上でも類をみない価格の乱高下は、投機マネーの仕業によるもの。調査によると、最近の売買は9割以上が投機目的によるという。したがって最近の超高値は、バブルそのもの。いつ破裂するかわからない。当然、信用はできなくなった。信用がなくなれば、通貨としての役割は果たせない。来年は、どういう結末を迎えるのだろうか。

      ≪27日の日経平均 = 上げ +18.52円≫

      ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ


おカネを貯め込む 日本の企業

2017-06-16 07:31:49 | おカネ
◇ 実質無借金企業が2000社を超えた = 企業がますますおカネを貯め込んでいる。日銀がまとめた資金循環統計によると、金融機関を除く民間企業が保有する現金・預金は、昨年末の時点で244兆円に達した。前年に比べて7.5%増加している。このうち現金は9兆7000億円だった。日本のGDPの半分に近いおカネを、企業が手元に置いているわけだ。

日経新聞の集計によると、上場企業のうち実質無借金となった会社は、3月末時点で2016社に達した。実質無借金というのは、手元資金が有利子負債より多い会社。1年間で60社増えて、全上場企業の58%に及んだ。この実質無借金会社の数は、08年から連続して増加している。

内閣府と財務省が共同で実施した法人企業景気予測調査のなかに「17年度の資金調達方法は」という質問項目がある。その答えの第1位は、大企業と中堅企業がともに「内部資金」を使う。中小企業は「民間金融機関」が第1位だったが、第2位は「内部資金」だった。世界中を探しても、企業がこんなにおカネを貯め込んでいる国はない。

困っているのは、優良な貸出先を失った金融機関だろう。だが企業に資金が滞留することは、日本経済にとっても好ましいことではない。おカネが回らず、景気が上向かないからである。安倍首相は企業に対して「おカネを賃上げに回してほしい」と要請しているが、結果は思わしくない。政府は企業におカネを使わせる方策を、もっと真剣に考えるべきである。

      ≪15日の日経平均 = 下げ -51.70円≫

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


家計も企業も 現金・預金ファースト

2017-03-24 07:06:56 | おカネ
◇ おカネを手元に置きたがる謎 = 日銀が発表した資金循環統計によると、家計の金融資産残高は16年末時点で1800兆円になった。過去最高の水準で、前年比では0.9%の増加。このうち現金と預金の合計額は936兆6000億円で、全体の半分以上を占めた。前年比では1.8%増加しており、家計が現金・預金の蓄積に力を入れていることが判る。

金融機関を除く民間企業の金融資産残高は、前年比3.9%増の1100兆円だった。このうち現金・預金は244兆円で、前年より7.5%も増加している。家計だけではなく、企業も現金・預金の積み上げに努力しているわけだ。さらに注目されるのは、預金のなかでも普通預金が急増していること。日銀によると、16年末時点では定期預金が前年比3.9%減少したのに対して、普通預金は11%も増えている。

普通預金はいつでも引き出せるから、ある意味では現金を持っているのに等しい。したがって最近は、家計も企業もせっせとおカネを手元に置こうとしているわけだ。常識的に考えれば、定期預金の金利はゼロに近い。最も安全な国債の利回りもマイナスになりやすい。それなら現金や普通預金でも同じこと。だから・・・という解釈になる。

だが、そんな単純な理屈では割り切れない、何か別の理由もあるのではないか。家計も企業も、手元に置いたおカネを一向に使いたがらない。その理由は何なのだろう。将来に対する不透明感、将来への不安感。それを吹き飛ばすような政策がないと、現在の不思議な無力感はなくならないかもしれない。みなさんのご感想は。

      ≪23日の日経平均 = 上げ +43.93円≫

      ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ


Zenback

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