経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

今週のポイント

2024-06-24 07:32:58 | 株価
◇ 利下げ期待と‟半導体”で粘る株価 = ダウ平均は先週561ドルの値上がり。4営業日連続の上昇で、終り値は3万9150ドルに。5月の消費者物価と卸売り物価がともに予想を下回る上昇、さらに小売り売上高も伸びが目立って鈍化した。物価高で消費者が節約に走り、小売店は値下げしたところも多く売り上げが減少した。市場では、これで利下げが早まるとの期待が株価を下支え、加えて絶好調の半導体関連銘柄が全体を押し上げた。18日にはSP500とナスダックが、史上最高値を更新している。

日経平均は先週218円の値下がり。終り値は3万8596円に。5月に入ってからは、ほぼ3万8000円台で推移している。17日は一時800円以上も下げた。ヨーロッパの政治情勢を不安視したためと解説されたが、この見方はややうがちすぎ。日銀の金融政策に関する不透明感を嫌気したという説の方が、もっともらしい。いずれにしても、東京市場の弱気ムードを反映している。

ニューヨークの株価は、利下げ期待と半導体で底堅い。しかし物価高→節約志向→値下げ→売り上げ減少の動きが鮮明になってくると、利上げ期待にばかりしがみ付いてもいられない。やはり上値は重たくなってきているのではないか。東京市場は都知事選を皮切りに政治の季節に入る。いつもだと財政支出を期待して株価は上がりやすいが、今回はどうだろう。円相場は160円に達しそうだし、あまり明るい局面がやって来る感じはない。

今週は25日に、5月の企業向けサービス価格。27日に、5月の商業動態統計。28日に、5月の労働力調査、鉱工業生産、6月の東京都区部・消費者物価。アメリカでは25日に、4月のFHFA住宅価格指数、6月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。26日に、5月の新築住宅販売。27日に、1-3月期のGDP確定値、5月の中古住宅販売。28日に、5月の個人消費支出が発表される。

        ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

今週のポイント

2024-06-16 07:12:28 | 株価
◇ 日銀の国債買い入れ減額は消化不良 = ダウ平均は先週210ドルの値下がり。終り値は3万8589ドルで、この3週連続で3万8000ドル台を上下した。FRBは12日の会合で「政策金利の据え置き」を決定、年内の利下げ回数を3回から1回の予想に縮小した。このため市場には弱気が広がったが、大きくは下げていない。ほぼ織り込み済みだったこともあるが、たとえ1回の可能性でも利下げに頼らざるをえない状態を反映しているようだ。

日経平均は先週131円の値上がり。こちらも3週連続で3万8000円台を行き来したが、先週は一時3万9000円台にも首を出した。日銀は14日、国債買い入れの減額を発表したが、具体策は7月の会合までお預け。市場はその意図を計りかね、消化不良の状態に陥った。株価はわずかに上昇、円相場は一時160円に接近した。今週も気迷い状態は続きそうだ。

ニューヨーク市場では先週12日、SP500とナスダックが史上最高値を更新したのに、ダウ平均は下落するという事態が発生した。景気の先行きに不安が出て景気敏感株や内需関連株が売られた半面、半導体関連株は買われた。このため、こうした現象が起きたもので、いまの株価が半導体関連で支えられていることを如実に示している。そのリーダー的存在がアップルであり、エヌビディアであるわけだ。

今週は17日に、4月の機械受注。19日に、5月の貿易統計、訪日外国人客数。21日に、5月の消費者物価。アメリカでは18日に、5月の小売り売上高、工業生産。19日に、6月のNAHB住宅市場指数。21日に、5月の中古住宅販売、6月のPMI製造業景況指数。また中国が17日に、5月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

        ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

今週のポイント

2024-06-10 07:28:30 | 株価
◇ それでも利下げに頼るしかない = ダウ平均は先週113ドルの値上がり。この2週間はずっと3万8000ドル台で上下している。そうしたなかでも、ニューヨーク市場では「9月の利下げは確実」という期待が膨らんでいた。小売り高が伸び悩み、求人数が激減するなど、景気の鈍化を示す指標が続出したからである。さらにECB(ヨーロッパ中央銀行)とカナダ中銀が利下げを発表、市場の期待はいっそう強まった。ところが週末に発表された5月の雇用統計では、雇用者の増加数が予想をはるかに上回り、市場の期待は吹き飛ばされてしまった。

日経平均は先週196円の値上がり。こちらもこの2週間、ずっと3万8000円台で推移している。5月の成績は82円の上昇で、ほぼ行って来い。企業の慎重な業績見通しが目立ち始め、長期金利も上昇した。また市場は定額減税の実施を全く無視した形。それでも「5月は売り」の格言からみれば、結果OKだったのかもしれない。

ニューヨーク市場では、FRBによる政策金利の引き下げが見えなくなってしまった。9月の利下げは困難で、「年内3回」という利下げの回数予想も「年内1回」に縮小している。それでも市場は、利下げの実現に頼らざるをえない。今週12日にはパウエル議長、14日には植田総裁が金融政策について説明する。ともに政策の変更はなさそうだが、先行き見通しをどんな言葉で表現するか。

今週は10日に、1-3月期のGDP改定値、5月の景気ウオッチャー調査。12日に、5月の企業物価。13日に、4-6月期の法人企業景気予測調査。アメリカでは12日に、5月の消費者物価。13日に、5月の生産者物価。14日に、6月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が12日に、5月の消費者物価と生産者物価を発表する。なお12日にはFRBのパウエル議長、14日には植田日銀総裁が記者会見。

      ≪10日の日経平均 = 上げ +354.23円≫

      ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
 

ダウ 4万ドル台からの展望

2024-05-21 07:09:11 | 株価
◇ 当面の焦点は22日のエヌビディア決算発表 = ダウ平均株価は先週末、とうとう4万ドル台に乗せた。20年11月の3万ドル乗せから、3年半での大台替わり。4月の雇用情勢や小売り売上高、それに消費者物価が、そろって予想をわずかに下回る伸びに。FRBの利下げが早まるという期待が高まって、株価を押し上げた。ただ高値で確定売りも出やすくなっている。今後も株価は上昇を続けるのだろうか。

当面の関門は、22日に発表されるエヌビディアの決算。これまでの株高は半導体関連銘柄に負うところが大きかったが、エヌビディアはその象徴的な存在。ことしの業績見通しが好調なら、ニューヨーク市場の株価は続伸するだろう。もし期待外れなら、ダウ平均も一服する公算が大きい。多くの投資家は、いま22日の発表をじっと待っている状態だ。

もう少し中長期的にみると、株価がさらなる高みを目指せるかどうかは、アメリカ経済が‟軟着陸”できるかどうかにかかっている。そのためには物価が徐々に落ち着いて、2%程度の上昇率に近付く。その一方で、景気があまり落ち込まないことが重要だ。ただ、こうした経済の動向を確認するには、3か月程度の検証が必要だろう。すると‟軟着陸”の確認は、早くても7月末ということになる。

FRBが金融政策を決定するFOMC(公開市場委員会)は、8月が休み。したがって利下げの決定は早くても9月ということになる。すると、年内の利下げは2回というのが市場の読み。しかし‟軟着陸”に乱れを生じると、利下げは大幅に遅れるかもしれない。これから7月にかけて、アメリカ経済がどう動くか。それによって、ダウ平均の動向も決まってくるだろう。

        ≪21日の日経平均 = 下げ -122.75円≫

        ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
   

今週のポイント

2024-05-20 07:35:31 | 株価
◇ ダウの続伸は半導体の業績しだい = ダウ平均は先週491ドルの値上がり。金曜日には、終り値でとうとう4万ドル台に乗せた。1999年3月に1万ドル、2017年1月に2万ドル、20年11月に3万ドルという上昇の軌跡。この10年間では2.4倍に膨張している。先週の値上がりは、4月の消費者物価と小売り売上高が予想をやや下回ったことが原因。FRBが利下げを早めるのではないかという期待が、市場に広まった。

日経平均は先週558円の値上がり。5月に入ってからは、ずっと3万8000円台で上下している。ニューヨーク市場の活況は大きなプラス材料だが、1-3月期のGDP成長率がマイナスになったり、実質収入や実質消費の落ち込みが続くなど、悪材料も目立つようになってきた。また異常な円安もマイナス材料とみなされ、輸出関連銘柄でさえも円安で売られるようになっている。

ニューヨーク市場では、さすがに高値で確定売りも出やすくなっている。それをこなして続伸するかどうかは、半導体関連企業の業績見通ししだい。今週の決算発表が注目される。一方、東京市場は物価上昇が鈍化して、働く人たちの実質収入がプラスにならないと先行きが晴れない。いま市場は企業業績に期待をかけているが、当の企業は消費の減退を予想して先行き見通しに慎重だ。日経平均の4万円は遠いだろう。

今週は20日に、3月の第3次産業活動指数。22日に、4月の貿易統計、3月の機械受注。24日に、4月の消費者物価。アメリカでは22日に、4月の中古住宅販売。23日に、4月の新築住宅販売が発表される。
 
        ≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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