経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

今週のポイント

2024-04-08 07:25:20 | 株価
◇ 「年内の利下げナシ」の発言も飛び出す = ダウ平均は先週903ドルの大幅な値下がり。終り値は3万9000ドルを割り込んだ。景気が堅調なことを示す指標が続出、そこへ原油価格の急騰が加わった。このためインフレ再燃への警戒が強まって、長期金利が上昇。さらにパウエルFRB議長が「利下げを急ぐ必要はない」と発言。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「年内は利下げを見送る可能性がある」とまで言及した。株価は上がりようがない。

日経平均も1377円の大幅な値下がり。週間の下げ幅としてはことし最大で、終り値は3万9000円を割り込んだ。ニューヨーク市場の軟調に引きずられたが、国内でも好材料は見当たらない。実質消費は相変わらず前年を下回ったし、日銀や内閣府が発表した景気動向調査も冴えなかった。特に内閣府が景気の基調判断を「下向きの局面変化」へ変更したことは大きい。

アメリカ労働省が週末に発表した3月の雇用統計も、雇用者の増加数が予想を大きく上回った。これで「6月の利下げ可能性」は大幅に縮小したとみられている。ダウの上値は重い。日経平均も上向いたとしても、反発程度。4月から始まった運輸業などの残業規制で、人手不足はますます深刻になる。その影響が捉え切れないため、市場としても動きにくくなっている。

今週は8日に、2月の毎月勤労統計、3月の景気ウオッチャー調査。9日に、3月の消費動向調査。10日に、3月の企業物価。アメリカでは10日に、3月の消費者物価。11日に、3月の生産者物価。12日に、4月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が11日に3月の消費者物価と生産者物価。12日に3月の貿易統計を発表する。

        ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

今週のポイント

2024-04-01 07:37:15 | 株価
◇ ダウとSP500がまたまた最高値 = ダウ平均は先週331ドルの値上がり。終り値は3万9807ドルで、またまた史上最高値を更新した。SP500も新高値を記録している。景気動向が堅調な一方で、FRBは年内3回の利下げを断念していない。市場はこの状態を好感、幅広い分野に買いを入れている。ダウ平均は1-3月期に2117ドル、率にすると5.6%の上昇だった。

日経平均は先週519円の値下がり。ただ終り値は4万円台を維持している。前週に2000円も上げたことの反動に加えて、年度末の利益確定売りが影響した。またアメリカの長期金利が上昇したために、ドル高・円安が進行。一時は152円に近付いたことから、外国為替市場では政府による介入が心配された。この警戒感は株式市場にも、微妙に響いている。日経平均は1-3月期に6905円、率にして20.6%の上昇だった。

アメリカでは商業用不動産の価格が低下している。また株価を先導してきたエヌビディアの株価が、頭打ちからやや下げ気味。さらにインフレ再燃論も聞こえてきた。こんなところが要注意点だが、ダウはとりあえず4万ドル台には乗せるだろう。一方、日本は新年度入り。株式市場にとっては、なにか元気の出る材料が欲しいところだ。

今週は1日に、3月の日銀短観、新車販売。5日に、2月の家計調査、景気動向指数。アメリカでは1日に、3月のISM製造業景況指数。3日に、ISM非製造業景況指数。4日に、2月の貿易統計。5日に、3月の雇用統計。また中国が1日に、製造業と非製造業のPMIを発表する。なお1日から、運送業・建設業・医師の時間外労働の上限規制が実施。

        ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
  

今週のポイント

2024-03-25 07:21:24 | 株価
◇ 日米市場で最高値更新ラッシュ = ダウ平均は先週761ドルの値上がり。水曜日と木曜日には、ダウ・ナスダック・SP500の3指数がそろって史上最高値を更新という素晴らしい記録を作っている。FRBが政策金利を据え置き、さらに年内3回の利下げ可能性を維持したことを好感した。ニューヨーク市場では「当面の懸案事項はすべて消滅した」という感じが広まっている。高値警戒感はあるが、4万ドルを狙う勢いは衰えていない。

日経平均は先週2181円の大幅な値上がり。こちらも木曜日と金曜日に、続けて最高値を更新した。終り値は4万0888円まで上昇している。日銀がマイナス金利の解除を決め、当面は緩和政策を続けると発表した。このため東京市場でも安心感が広がった。加えて円安が進行。金利上昇を見込んで金融株が買われ、円安で輸出関連株が物色されている。

ダウ平均は着実な上昇ぶりをみせているが、それでも年初来の上げ幅は1800ドルに満たない。一方の日経平均は年初来7400円も上昇しており、スピードがかなり速い。このため日経平均の今期予想ベースPER(株価収益率)は17.3倍にまで上昇した。専門家によると、市場は今期どころか25年3月期の増益予想まで織り込んでいるという。当然、高値警戒感は強くなる。それを乗り越えて行けるかどうかは、今後の企業業績にかかっていると言えるだろう。

今週は26日に、2月の企業向けサービス価格。29日に、3月の東京都区部・消費者物価、2月の労働力調査、鉱工業生産、商業動態統計、住宅着工戸数。アメリカでは25日に、2月の新築住宅販売。26日に、1月のFHFA住宅価格指数、3月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。28日に、10-12月期のGDP確定値、2月の中古住宅販売が発表される。

        ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 

今週のポイント

2024-03-18 07:44:05 | 株価
◇ マイナス金利解除は織り込んだが・・・ = ダウ平均は先週わずか8ドルの値下がり。週の前半は先々週に下げた反動もあって反発。特に火曜日は注目のエヌビディアが7.2%も上昇、SP500が最高値を更新した。しかし後半はだらだらと下げている。2月の消費者物価が予想を上回って上昇、利下げが遠のいたという推測が強まって金利が上昇。株式市場は、これを嫌気した。ただ終り値は、3月23日に付けた最高値を400ドルしか下回っていない。

日経平均は先週981円の大幅な値下がり。週初から3万9000円を割り込んだ。日銀が19日の政策決定会合で、マイナス金利の解除にやっと踏み切ることがほぼ確定。円高が進んだために、売り注文が膨らんだ。これで2週連続の下げ。終り値は3月4日の最高値に比べると、1400円ほどの下落。ニューヨークよりも、リスク回避の動きが強まっている。

FRBは19-20日に政策決定会合を開く。しかし政策に変更はない見込み。したがって市場は、あまり気にしていない。一方、日銀はマイナス金利を解除する。市場はすでに織り込んでいるから、大きな影響はないだろう。ただし日銀の今後の利上げ見通しに関心が集まると、債券・為替・株式市場に影響が現われる可能性は否定できない。

今週は18日に、1月の機械受注。19日に、3月の訪日外国人客数。21日に、2月の貿易統計。22日に、2月の消費者物価。アメリカでは18日に、3月のNAHB住宅市場指数。19日に、2月の住宅着工戸数。21日に、2月の中古住宅販売。また中国が18日に、2月の小売り売上高、鉱工業生産、固定資産投資額を発表する。なお19日に植田総裁、20日にパウエル議長が会見する予定。

        ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ≫    

エヌビディア・ショック

2024-03-16 07:37:09 | 株価
◇ 一時停止かUターンかは、この株しだい? = 日米の株価が大きく揺れ始めた。ダウ平均は2月23日に3万9132ドルの新高値を付けたあと、下げに転じた。日経平均も3月4日に4万円台乗せを達成したあと、11日にはことし最大の下げを記録している。これまで株価の大幅高を主導してきた半導体関連銘柄が、反落でも主役も演じた。そして、その半導体銘柄を先導したのがエヌビディアだ。市場では「エヌビディア・ショック」という言葉が使われ始めている。

エヌビディアはカリフォルニア州に本社を置く半導体メーカー。1993年に設立された新しい会社だが、ここへきて業績を驚異的に伸ばしている。売り上げは22年に世界12位だったものが、23年にはアップルやマイクロソフトを抑えて世界1位に。ことし1月期の純利益は43億ドルに達した。昨年2月に208ドルだった株価は、ことし3月7日には927ドルに上昇。ただ、その後は10%以上も値下がりし、時価総額を1300億ドル(20兆4000億円)も減少させている。

いまウオール街を大手を振って歩いているのが、MAG7と呼ばれる7企業だ。アップルやマイクロソフトなどの半導体・ITのビッグ5社に、EVのテスラと新興エヌビディアを加えたグループ。7社の時価総額は合計12兆ドル(1700兆円)、この1年間で70%も増加した。昨年、SP500の株価は24%上昇したが、この7社は74%も上昇。この7社以外の493社は10%の上昇にとどまっている。株価全体の上昇を、この7社が主導したことは明かだ。

東京市場でも、状況は同じ。アメリカで半導体関連銘柄が上がると、日本でも東京エレクトロンなどの半導体関連銘柄が急騰して、株価全体を引っ張り上げた。その意味では、東京市場を先導したのも、新興エヌビディアだったと言える。だとすると、今後の株価動向は、エヌビディアの動きを見ていれば判るのではないか。もちろん、この考え方が正しいかどうかは不明だが、説得力があるようにも思えてしまう。

         ≪15日の日経平均 = 下げ -99.74円≫

         【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】     
   

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