◇ 受け入れ制度は改善したけれど = 少子高齢化の急速な進行で、日本は恒常的な人手不足の状態に陥る。だから外国人労働力に頼らざるをえない。そこで政府は外国人労働者の受け入れ制度を、大幅に改善した。その目玉は「育成就労制度」の新設。技能を持たない未熟練の外国人でも受け入れて育成し、技能を積めば「特定技能」に移行して最終的には永住できる道も開いた。関連法案が14日の国会で成立、27年までに運用を開始する。
「特定技能」制度についても、内容を拡充した。この制度は、一定の技能を持つ外国人を受け入れる在留資格だ。いま、この資格で働いている外国人は約20万人。これを28年度までに82万人に増大、対象とする分野も12から16に拡大した。未熟練の若い外国人を「育成就労」で受け入れ、3年間の勉強で一定の技能を身に着ける。そこからは「特定技能」で、さらなる定着を目指すコースも提供するわけだ。
日本で働く外国人は08年には50万人足らずだったが、23年には200万人を突破した。その中心となったのは「技能実習制度」による実習生で、ことし3月末には41万2000人を数えている。ただし、この制度は全く評判が悪かった。「日本で習得した技能を母国に持ち帰ること」を目標にしながら、実は単純労働でこき使う。極悪の労働環境から逃れようとしても、転職ができない。だから多くの実習生が逃げ出して、行方不明となった。
この「技能実習制度」を廃止するだけでも、大きな改善と言えるだろう。ただ、これで東南アジアの若者が日本を目指して働きに来るようになるとは限らない。韓国や台湾、さらにオーストラリアやシンガポールなども人手不足で、若い労働力の流入に力を入れ始めたからである。たとえば最低賃金をみても、台湾や韓国は日本の水準をやや上回ってきた。さらに円安が、日本で働くことを不利にしている。見通しは必ずしも明るいとは言えない。
(続きは明日)
≪19日の日経平均 = 上げ +88.65円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
「特定技能」制度についても、内容を拡充した。この制度は、一定の技能を持つ外国人を受け入れる在留資格だ。いま、この資格で働いている外国人は約20万人。これを28年度までに82万人に増大、対象とする分野も12から16に拡大した。未熟練の若い外国人を「育成就労」で受け入れ、3年間の勉強で一定の技能を身に着ける。そこからは「特定技能」で、さらなる定着を目指すコースも提供するわけだ。
日本で働く外国人は08年には50万人足らずだったが、23年には200万人を突破した。その中心となったのは「技能実習制度」による実習生で、ことし3月末には41万2000人を数えている。ただし、この制度は全く評判が悪かった。「日本で習得した技能を母国に持ち帰ること」を目標にしながら、実は単純労働でこき使う。極悪の労働環境から逃れようとしても、転職ができない。だから多くの実習生が逃げ出して、行方不明となった。
この「技能実習制度」を廃止するだけでも、大きな改善と言えるだろう。ただ、これで東南アジアの若者が日本を目指して働きに来るようになるとは限らない。韓国や台湾、さらにオーストラリアやシンガポールなども人手不足で、若い労働力の流入に力を入れ始めたからである。たとえば最低賃金をみても、台湾や韓国は日本の水準をやや上回ってきた。さらに円安が、日本で働くことを不利にしている。見通しは必ずしも明るいとは言えない。
(続きは明日)
≪19日の日経平均 = 上げ +88.65円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫