経済なんでも研究会

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氷河期に突入した 製造業

2019-09-04 08:05:08 | 景気
◇ 非製造業で支え切れるか = 関税戦争の影響で世界中の製造業が苦境に立たされているが、日本の製造業も急速に冷え込んだ実態が明らかになった。財務省が2日発表した4-6月期の法人企業統計によると、金融・保険を除く全産業の経常利益は前年同期比で12.0%の減少だった。このうち製造業は27.9%の大幅な減少。非製造業は1.5%の減少にとどまっている。

売上高をみても、製造業は1.2%の減少。非製造業は1.0%の増加だった。大幅な減益となった製造業は、設備投資も6.9%の減少。非製造業は7.0%の増加と、対照的な結果を残している。製造業の業績悪化は,言うまでもなく米中両国の関税引き上げ競争が主たる原因。その影響が比較的小さい非製造業に、かなり支えられた形となっている。

製造業のうちでも特に利益を減らしたのは、やはり輸出に依存している業種。たとえば情報通信機械は98.2%、鉄鋼は94.3%、電気機械は44.4%の減益だった。増益だったのは食料品の0.2%増加だけという、散々な結果となっている。一方、非製造業でも情報通信業は11.5%、建設業は7.3%の減益だった。

米中経済戦争は長引きそうだから、製造業の苦境はまだ続くだろう。そこで非製造業が頑張って、今後も全体の下支え役になれるかどうか。その見通しは、かなり厳しい。というのも製造業の冷え込みが続けば、その影響は少しずつでも非製造業に及んで行く。さらに10月からの消費増税は、非製造業の方に重くのしかかるからだ。こんな状態になっても、政府はまだ「景気は順調に回復」と言い続けるのだろうか。

       ≪3日の日経平均 = 上げ +4.97円≫

       ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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