経済なんでも研究会

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‟四面楚歌”の 日本銀行 (上)

2022-07-26 08:00:41 | 日銀
◇ 世界でひとりゼロ金利政策に固執 = 大昔。蓁を滅ぼした楚の項羽が、こんどは漢の劉邦に負けて包囲された。劉邦は深夜、漢軍に楚の歌を唄わせたため、項羽は楚の兵士がすべて降伏したと勘違いして落胆したという。中国の故事である。最近の日銀をみていると、この故事を思い出す。世界の中央銀行がそろって金融引き締めへと向かうなかで、日銀だけがゼロ金利政策にしがみ付いているからである。

アメリカではFRBがあす27日、政策金利の0.75%引き上げを発表する予定。ことし3月から始めた本格的な金融引き締めで、政策金利は2.5%に上昇する。強力な量的引き締めも、合わせて実行中。一方、ECB(ヨーロッパ中央銀行)は先週21日、政策金利の0.5%引き上げを決定、14年に導入したゼロ金利政策に別れを告げた。

このほかイギリス、カナダ、オーストラリア、韓国なども、すでに金融政策を引き締めに転換している。日経新聞の調査によると、世界84の中央銀行のうち、1-6月間で63の中央銀行が金利の引き上げを断行した。こうしたなかで日銀だけが、いまだにゼロ金利政策に固執し続けている。黒田総裁は21日の記者会見で「利上げは全く考えていない」と、重ねて強調した。

世界の中央銀行が利上げに踏み切ったのは、インフレを阻止するため。たとえば直近の消費者物価をみると、アメリカは9.1%、ユーロ圏は8.6%、カナダと韓国は6.0%と、きわめて高い。これに対して日本は、まだ2.5%の上昇。日銀がゼロ金利にしがみ付いていられるのも、このためだ。しかし日本でも企業段階の物価は9.2%にまで上昇しており、消費者物価の見通しもじり高傾向となっている。

                      (続きは明日)

        ≪25日の日経平均 = 下げ -215.41円≫

        ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ≫


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