経済なんでも研究会

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トランプ復活に“期待”する 中ロ首脳

2024-01-18 07:35:53 | トランプ
◇ 台湾では「一つの中国」を認めない頼氏が勝利 = 台湾の総統選挙では、いま政権を握っている民進党副総統の頼清徳氏が当選した。このため中国との関係については「一つの中国」を認めない現在の政策が踏襲されることになる。仮に野党の国民党候補が勝利すれば、中国との関係は接近したはず。この結果にアメリカ・日本・韓国などは、ほっと一息。中国の習近平主席は「期待外れ」と悔しがったに違いない。

一方、アメリカでは早くも大統領選挙の前哨戦が始まった。共和党の候補者を決めるアイオワ州党員総会が15日、州都デモインで開幕。予想通りトランプ前大統領が圧勝した。これから11月の大統領選挙を目指して、各州での候補者選びが延々と続く。民主党は現職のバイデン大統領が候補者になることが、ほぼ決まり。したがって関心は共和党の候補者選びに集中するが、いまのところはトランプ前大統領が圧倒的な強さをみせている。

そのトランプ氏は、まだ選挙公約を発表していない。しかし過去の言動からみれば、やはり‟アメリカ・ファースト”の政策を貫くものと考えられる。すると台湾有事の場合、どういう態度をとるのか。アメリカは「強くは関与しない」という姿勢に転換するかもしれない。何としても任期中に台湾を併合したい習主席にとっては、願ってもないチャンスになる可能性がある。

同じことは、ウクライナについても言える。だからプーチン大統領も、トランプ氏の復帰を願っているかもしれない。ただウクライナについては、NATO(北大西洋条約機構)が控えている。たとえば、いまアメリカの支援は議会が予算を通さず滞りがち。しかし、その分はイギリスが援助を増額して補っている。ところが台湾の場合は、どうだろう。アメリカが引き気味になったとき、日本や韓国はどうすればいいのか。怖い話である。

        ≪17日の日経平均 = 下げ -141.43円≫

        ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
  

日本株の‟独り勝ち”は いつまで?

2024-01-16 07:56:48 | 株価
◇ 消去法で買われてきたが = 日経平均株価は先週2200円も上昇した。年初からの上昇率は6.33%に達している。世界を見渡すと、年初からの上昇率がプラスだったのはアメリカのSP500ぐらいなもの。それも0.29%というわずかな上がり方である。あとはダウ平均が0.26%、ドイツが0.28%、中国が3.12%、韓国が4.90%と、いずれも下落している。まさに日本株の‟独り勝ち”だ。だが、こんな珍しい状態はいつまで続くのだろう。

ダウ平均は史上最高値を更新しようかという勢いだが、アメリカのインフレはなかなか収まらない。そこでFRBも利下げに踏み切れるかどうか、市場でも疑問が広がっている。ヨーロッパや中国では景気が下向き、株式市場に資金が流入する状態ではない。それに対して日本は長く続いたデフレから、脱出できそうな雰囲気が出ている。低い金利で円を調達できる。そんな国はほかにないというわけで、消去法的に買われたと考えられる。

日本株が上昇する理由の一つに「新NISA」を上げる人も多いが、これは間違い。というのも新NISAの積み立て型は、ほとんどが外国の証券に投資されているからだ。もっとも、そのためには円を売ってドルを買う。その結果は円安を助長し、それが株高につながったとは言えるだろうが。

だが1週間で2200円の上昇は、どう考えても上げ過ぎ。市場の内部でも警戒論が出始めたから、いったんは反落する可能性が大きい。しかしアメリカやヨーロッパ、中国や韓国などの状況が変わらなければ、やはり投資先は日本しかない。こう考えると、日経平均は春先までに3万7000円。さらに夏までには、89年12月に付けた3万8915円の史上最高値に接近する可能性も夢ではないだろう。

        ≪16日の日経平均 = 下げ ー282.61円≫

        ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

今週のポイント

2024-01-15 07:06:11 | 株価
◇ 東京市場はお祭り騒ぎ = ダウ平均は先週127ドルの値上がり。年初2日に付けた史上最高値を目指したが、少々及ばなかった。12月の消費者物価は予想を上回る上昇だったが、食料とエネルギーを除いたコア指数が下がったため悪材料とは見られなかった。ただ高値を警戒する利益確定売りは、着実に増えている。また週末に飛び込んできた米英軍によるイエメンのフーシ派拠点爆撃は、今週にも尾を引きそうな暗い材料となった。

日経平均は先週2200円の大幅な値上がり。終り値は3万5577円、実に34年ぶりの高値を記録した。4日間の営業日はすべて大幅高。東京市場はまるでお祭り騒ぎの様相となった。外国人投資家に加え、これまで逆張りの売りに徹してきた個人投資家も、買いに転じている。中国市場や台湾市場からも資金が流入しており、出来高は連日4兆円を超えた。

ニューヨーク市場は今週、中東情勢や台湾の選挙結果など、海外の状況に影響されそう。史上最高値の更新はあるかもしれないが、その後は反落する可能性が大きい。東京市場はお祭り騒ぎの余韻が残りそうだが、一気に3万6000円はちょっと無理だろう。冷静に考えれば、紅海を巡る緊張の増大は日本にとっては大問題。いつまでも手放しで騒いでいられる状況ではない。

今週は16日に、12月の企業物価。18日に、11月の機械受注。19日に、12月の消費者物価、11月の第3次産業活動指数。アメリカでは17日に、12月の小売り売上高と工業生産。18日に、12月の住宅着工戸数。19日に、12月の中古住宅販売、1月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が17日に、10-12月期のGDP速報、12月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

         ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

東京都区部・物価の 不思議

2024-01-13 07:46:32 | 物価
◇ なぜ全国の先行指標になるのか = 総務省は9日、東京都区部の12月の消費者物価を発表した。それによると、変動の大きい生鮮食品を除く指数は前年比で2.1%の上昇。前月の2.3%上昇より、伸び率がやや縮小した。また生鮮食品を含む総合指数は2.4%の上昇で、前月より0.3ポイント縮小した。この東京都区部の消費者物価は、中旬だけの速報値。全国の先行指標になるという理由で、総務省が特別に集計・発表している。

東京23区の物価が、本当に全国の先行指標になるのだろうか。そこで昨年の結果を調べてみると――。
  東京都区部⇒全国(単位%)  1月4.4→4.3  2月3.4→3.3  3月3.3→3.2  4月3.5→3.5  5月3.3→3.2 
             6月3.2→3.3  7月3.2→3.3  8月2.9→3.2  9月2.8→3.0  10月3.2→3.3 11月2.7→2.8
このように、結構ちゃんと先行指標の役割を果たしていることが判る。

だが東京は人口の密集地で、物価が高い。たとえば22年の調査では、全国平均を100として東京都は104.7。いちばん物価が高い。ちなみに最低は宮崎県で96.1.その差はかなり大きい。それなのに、どうして東京の物価が全国の物価動向を予知する先行指標になるのだろうか。物価水準とは関係なく、その変動率だけがほぼ一致するのはなぜなのか。

いろいろ調べてみたが、理由は判らなかった。日経新聞も「都区部の中旬速報値は全国の先行指標とされる」と書くだけ。総務省もこの点には触れていない。ある意味では不思議な話である。しかし、その予測的中率はかなり高い。たとえば12月は2.4%の上昇だった。ここから推測すれば、19日に発表される全国の総合指数は2.5%の上昇ということになるだろう。

        ≪12日の日経平均 = 上げ +527.25円≫

        【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】   
  

浮き上がれない 中国経済 (下)

2024-01-12 07:28:44 | 中国
◇ 長期停滞の危険性も = 中国政府も、景気対策を打ち出している。10月に開いた全国人民代表大会では、国債1兆元(約20.5兆円)の追加発行を承認。また12月中旬に開いた中央経済工作会議では「積極的な財政政策と柔軟な金融政策」の実施を確認した。しかし、その効果はまだ現われていない。対策の規模が不十分という批判も出ているが、すでに財政赤字のGDP比は3.8%に達しており、共産党が認める限度3%を大きく超えている。

これまで中国の景気対策は、中央政府の指示により主として地方政府がインフラ投資という形で実施してきた。ところが不動産不況で土地の使用権が売れず、財源がない。IMF(国際通貨基金)の発表によると、地方政府の‟隠れ債務”は71兆元(約1400兆円)に達しているという。要するに中央政府も地方政府も財政難で、かつてのように大規模な景気対策が打てなくなっている。

恒大産業などいくつもの大手ゼネコンが経営不振に陥り、建設素材メーカーや家具などの周辺メーカーにも不況の波が及んでいる。さらに住宅価格の低落で、消費者が財布のひもを締め始めた。しかし中央政府も地方政府も、十分な対策を打ち出せない。その結果、最近では失業者の増大が目立ってきた。特に若年層の失業率は20%を超え、政府はその発表を停止してしまったほどである。

そのうえ人口の減少という、構造的な問題も進み始めた。22年の出生数は960万人だったが、23年は900万人を割り込んだ模様。政府は定年延長を考えているが、労働力の不足は避けられそうにない。さらにウクライナ戦争を巡って、欧米諸国の制裁措置も続く。こうしたことから、専門家の間では「中国経済が正常化するには時間がかかる」「場合によっては、長期的な停滞状態に入るかもしれない」という予測さえ現われている。

        ≪11日の日経平均 = 上げ +608.14円≫

        ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
   

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