魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

新たな特産ですか

2010年08月03日 | ワイン ~2020年
今日は厳しいことを書きます。


何と判断してよいのやら悩む記事です。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news/20100801-OYT8T00123.htm?from=nwlb


時津の巨峰ワイン好評栽培半世紀「新たな特産に」(クリック)


長崎市に隣接する時津町の「巨峰ブドウを活かして、地元を元気に」
というアイデアで、それ自体は悪いことではないし応援もしたい。


でも・・・・・


ワイン愛好家やマニアなら分かるでしょうが、

>廃棄していた果実を福岡県の醸造所に送ったところ、巨峰の甘みが
>生きたワインができた。


福岡の醸造所というのは元々巨峰ワインを造っている「若竹屋酒造場」
のことで、他県の技術を使って?というのもちょっと疑問。


もちろん巨峰ワインが甘口ワインで(ホントは辛口仕立てにだって
可能かもしれないけど)、嗜好が時代にそぐわなくて、結局
お土産の「なんちゃってワイン、それらしきワイン」で終わってしま
いそうな気がします。何かずれています。


巨峰はもともと黒ブドウなので、堂々と赤ワインを造るべきでしょう。
もちろん食用ブドウなので、皮は薄いし、出来るワインも軽~いもの
になってしまうでしょう。

でも本気でワインで勝負するのなら、もっと皮を厚めに品種改良して、
お土産ではなく、今後百年の計で堂々と勝負していただきたいと
思います。現状ではちょっとねぇ・・・・・。





さて、本日の試飲はこれ。




2008 ラ・シオード ミネルヴォア(アンヌ・グロ&ジャン・ポール・トロ)
  (南仏、ミネルヴォワ地区、赤、3千円台後半)


ブルゴーニュ屈指の造り手が共同で新天地として南仏で造るワイン。
フランスではこれだけ真面目に新天地での可能性を追求しています。


濃い色調に、香りは甘いお菓子、焼き菓子、しかも外国製のもの
を連想させます。チェリー、フランボワーズなどのフルーツも。


味わいはやはり香りと似ています。
濃く鮮烈で厚い果実味、甘さ、ジューシーさが支配的です。
明るく健全で、酸やタンニンも豊富です。ただ、リリースされた
ばかりなので単純で、奥行きだとか複雑味が現れるには、あまりに
若いと思われます。でも美味しく飲めます。すいすいと調子よく
飲めます。

家内は目を丸くして「美味しい!」コール。

明るいひまわり娘のように、確かに悪くはないのですが、採用と
なるとまだでしょうかねえ。


これより安くて美味しいワインがいくつもありますので、あえて
これは選ばないでしょう。しかし今後に期待しますし、このメー
カーの他のアイテムも試飲予定です。


何か今日は厳しすぎたので、ちょっとイヤだなあ。

コメント (2)
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