魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

ワイン指南の難しさ

2010年08月23日 | ワイン ~2019年
今日は自宅へのお客さん、といっても来崎中の身内(家内の妹)
なのですが、ワインに馴染みのない方へ指南をしてしまいました。



このワインはなんちゃらかんちゃら・・・

と軽くラベルの説明。



でもフランスの村の名前や造り手の名前なんてわかりにくいでしょう
から、まずは、グラスに注いで香りからいきましょう。


そして

もちろんどんな香りがするのか表現するのは難しいでしょう。
そこで、「フルーティーさはベリーの果実ですよ。」と言ってみる。
他にも「黒糖めいた香りがしますよね」

なーんて言うと、「なるほど!そうですね」
という反応が。


味ですが、「酸っぱいと思って飲んでみてください。」と言ってみる。

そうすると、イメージでは酸っぱいぞ!と脳内が身構えるであろうから、
実際に飲んでみて「酸っぱいと言われたけど、そこまではないぞ、
むしろ甘みさえあるんじゃないかな???」なーんて感じてもらえれば
大成功だったりする。



で実際このワイン、熟成感もあって私は飲み頃だと思っています。
(これは心の中の声)


そして本当の指南の成功は「そんなこんなですが、これ、美味しいと思う?
もちろん気を使わなくていいから本心で答えてみてね」と言ってみる。


そしてそれでも「美味しいと思う」「ワインに興味が少しは出てきた」
なんて答えが返ってくれば、もう十分でしょう。


今まで多くの人にこんなことの連続をやって来たけれど、うまく伝わって
いくことの確率はとても低くて、気難しいことばっかり言われてもなあ、
と思う方も大勢いるのだと思います。


あらためてワインの良さ、そしてどう向き合ってもらうか?の難しさを
体感した日でした。


これって職業としている私にとって永遠の正解のない課題です。
分かる方はすぐに分かって、はまってしまうほどの魅力。でも分から
ない方にはいくら説明しても、体感していただいても分からない。
もどかしい。


ホントに思います。ワインの良さを理解できるかどうかは、感覚
だったり好奇心だったり、センスだったり、そしてタイミングや
きっと「縁」だったりするんでしょうか。


これこそ、運命や神のお導き?みたいなものでしょう。

ワインの良さを理解出来る方には、人生の幅や深さが加わって
より素晴らしい人生になりますように・・・
っていつも思います。


コメント
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