魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

人に聴かせるってことの課題

2011年09月24日 | 音楽
音楽の話題を久々に。


本日は長崎駅かもめ広場にて植村花菜さんのアコースティックライブが
ありました。たったひとり、ギター1本での演奏です。

最近は「コンピューターで作られたオケ」を使うことも多いライブですが、
ホントの生音、「生トイレ」を立見で聴いてきましたよ。





これは会場の写真です。すっごく混んでいて、彼女の歌声を聴きに、
多くの方が詰めかけていらっしゃいました。



もちろん彼女の歌声は素晴らしくきれいだし、正直顔も素敵でしょうが、
声の方が「べっぴんさん」だと思います。ギタープレイもしっかりとし
ていて、あえて難しいことはしないのだけれど、1本で聴かせられる仕事
はちゃんとしていました。


これだけ売れると、ギターは誰か上手い人に任せて、自分は「歌に専念」
ってのもアリでしょう。でも、彼女のその潔さは見ていて、聴いていて、
清々しいいほど。



私が一番注目したのは、もちろん彼女のプレイもですが、ステージングや
お客さんの反応です。幼児から老人、通りすがりまでの幅広い客層。

前の方は早くから陣取って、座っていらっしゃいました。ここは濃い
ファンでしょうから問題ありません。


後ろの方は通りがかりだったり、立見なので集中力の少ない一般に近い
方々です。その人達の反応はどうなのか、植村さんがどう楽しませてく
れるのか? なーんてのをいろんな角度で見ることができて勉強になり
ました。




30~40分程度のステージでしたがじっくりと聴かせるものと、アップ
テンポで楽しませるパターンで交互に構成されていました。



ここでちょっとだけ思うことですが、「聴衆として」ですが、音楽に
ちゃんと取り組んでいた経験のある方はスローな曲でも、ピアニッシモ
の曲や部分でも、間が長い曲でも、ちゃーんと聴こう、受け入れようと
する姿勢があります。


が、対して「一般の方」は間が持たず、アップテンポの曲しか反応しない
んですよね。ちょっとでも間があったら「落ち着きのない行動」(いわ
ゆるざわざわとおしゃべり、あくび、場を壊す行動をとる)に出たりす
ることも多いのです。



プロの方はそれにめげず、負けず、ちゃんと音を届かせることを目指して
やっていらっしゃいます。
例えばこれだけ有名な彼女をして、荒井由美の「優しさにつつまれたなら」
のカバー曲を入れるという譲歩をしていたんですよね。



そして最後に生「トイレの神様」、そしてアンコール曲。



どれだけ売れた方でも、多くの、いろんな客層の聴衆と向き合うことの
大変さ、難しさ。そして聴衆目線からの反応。
やはり考えさせられることの多さを実感させられました。



演じる側は「楽しませる」。聴く側は「楽しむ」という単純だけど、奥深い
エンターテイメントの世界の難しさを感じました。


演じる側はいろんな工夫で「歌う」「演奏する」「いいな~」「楽しんでも
らえる」「CD買ってくださいね~」etc・・・なわけですが、

聴く側も「気持ち良い」「楽しむ」「その場の空気(ノリ)を作る」「よし、
CD買ったろか!」「よし、コンサートがあったら足を運んでやろうか!」
的なノリで相乗することが一番の理想なわけです。




まだまだ、この年でもひよっ子な私ですが・・・、もっと考えて楽しんで
いただけるようなことも考えつつ、もちろん自分の表現することも受け止め
ていただきつつ~、な感じでいけるようがんばります。






なぜこんなことをあえて書くのかといいますと・・・・・

実は、素晴らしい曲が出来ました。多分これまでで最高の曲です。
(出来たてだからそう思いたいのもあるのですが)


問題は、どういったシチュエーションで、どうしたらいい状況でお届けで
きるかということ。youtubeがいいのかなあ。

良い演奏をやって、上手く空気にのれて(作れて)そんなコミニケーション
が取れた時に、ご披露できるのが一番なのでしょうね。


音楽の奥深さって楽曲や演奏の良し悪しだけでないところも含めて
すごいです。(もちろん他の芸術でも)


単純に作るだけでなくて、「聴いていただく」、「楽しんでいただく」という
要素を考えると、さらにさらにどんどんと難しく、深みに入っていくこと
でしょう。


あらためて実感、考えさせられた日でした。

コメント (4)
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