goo blog サービス終了のお知らせ 

魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

夢のボルドー-現実の安ボルドー

2015年11月14日 | ワイン ~2020年
ちょっと遅くなりましたが、中国の習近平氏が訪英した際のイギリスのもてなしワインが
物議をかもしました。


中でも、「1989年 シャトー・オー・ブリオン」(Ch.オー・ブリオン)が話題となっていました。
1989年が天安門事件の年だとか、産地がグラーヴ(Graves)で英語ではgrave(墓)という
意味になるじゃないかとか、挙句、晩餐会の中で疲れているアンドリュー王子らのうつろ
とした写真などがネット上で踊りました。
まあ、怪しいサイトを真に受ける単純な人達には好評だったようです。


でもね、ワインマニアからの視点で申しますと、「1989 オー・ブリオン」を出されたと
いうことはすごく名誉なことで、このワインはオー・ブリオン史上最高かもしれない当たり年
なのです。「世紀の偉大なワイン、伝説のワイン」のひとつなので、その歓待ぶりがよく分かります。

”このワインの偉大さ”、”これだけのワインという偉大さ”を知らない人々は勝手なことを
書きたてています。

別に中国の肩を持つわけでもなんでもありません。ワインというものの偉大さ、素晴らしさ、文化や
矜持などを理解してもいない人たちのたわごとです。バッカじゃなかろか、と思います。(特に単純な怪しいサイトの盲信者)
「はっ!」と言って、鼻で笑って、無視してやりましょう。


・・・・・何でこんなこと書くかって?・・・・・


実はね、このワインを1ケース欲しいと思っていた私が、買い損ねたからなんです!!!

販売され始めた頃はリーズナブルだったはずの価格が、あれよあれよと・・・入手困難
・・・そして幻へ・・・なーんてなったものですから、悔しくてしょうがないんですよね。
ちなみに同年の「ラ・ミッション・オー・ブリオン」も偉大な名作です。


とにかく目を付けたワインは「買えるチャンスがあったら買うべし」ということを
お伝えしておきましょう。

「買って後悔することよりも、買わなくて後悔することの方が断然多かった」
というマニア(先人?)の教えは受け止めてください。





さて、そんな夢のボルドーはさておいて、今夜は安物ボルドーね。




2012 Ch.メーヌ・パルガード(メイヌ・パルガード)
  (仏、ボルドー、赤、千円程度)

セパージュはCS70%、Me30%。

香りはイチゴ、フランボワーズなど明るいフルーツに革や絵の具、白コショウ、ミネラルなど。

味わいは瑞々しくきれいなフルーツにミネラル、微かに獣臭、動物的旨さが乗っています。
軽めで、酸は穏やか、タンニンは細かく強くはありません。

長寿ではないので、今を楽しむワインなのでしょう。美味しく飲めますが、リピートするか?
と問われると、そこまではないのでこれも採用なしでしょう。
でも決して悪くはないです。ボルドーとしては軽いですが、デイリーには逆にいい感じはあります。
やはり満足感という点で、どこかいまいち弱さがありますねえ。


うーん、夢のボルドーと現実のデイリーボルドーの差は遥かに埋めがたいものがありますねえ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする