どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

<おれ>という獣への鎮魂歌 (50)

2006-08-04 05:43:12 | 連載小説
 いくつになっても、男は駄目なものだ。  おれの脚はまだ健在なのに、おれの頭は思考の瓦礫でいっぱいになっていた。おれは、賄いの主婦に気兼ねしながら、宿のおそい朝食をとった。  同宿の者たちは、疾うに出発したらしい。ここから、オートバイや自家用車で木ノ浦海岸や伝統の揚げ浜塩田を回っていくのだろう。  平時忠一族の墓を詣でる者もいるかもしれない。せっかく奥能登に来たからには、あれもこれも観て帰らねば、 . . . 本文を読む
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