手探りで始めた作品でしたが、五十二回をもって終わることになりました。
(未完)としたのは、いずれ時間を経て、この作品の登場人物が立ち現れるかも知れないという含みを残したものです。
今回の終了も、主人公の意向によるもので、作者としては口をはさむ余地がありませんでした。
いずれにせよ、年初から本日まで、長い間お読みいただき、ありがとうございました。
また、折にふれコメントをいただきましたこと、 . . . 本文を読む
ミナコさんは、手料理でおれをもてなしてくれた。鶏肉と玉ねぎにシシ唐辛子を使った洋風のスープが、胃を刺激した。
疲れた体に、国産のワインがよく効いた。
辛味を多く使った苦心の献立が、アルコールの回りをいっそう早くした。
「あなた、だいじょうぶ?」
ミナコさんが、心配そうにおれを覗き込んだ。
「なんだか、腑抜けになったような気がして、頼りないんだ」
「疲れたのね。・・田舎って、疲れるものなのよ . . . 本文を読む