どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

<おれ>という獣への鎮魂歌 (49)

2006-08-01 01:25:29 | 連載小説
 須須神社への道は、海岸沿いの道路に降り立って、すぐに分かった。西に向かって森を望むと、神域を示す鳥居の先から、一筋の参道が人をいざなうように奥の暗がりへと伸びていた。  ここは、穏やかな内浦が尽きて、ほどなく外浦に回り込もうかという場所に位置している。海は波光を集めて砕け、燃え立っていた。あたかも俗世からの侵入を阻止して、目くらましを仕掛けているかのようだった。  それにしても、視線を転じた先の . . . 本文を読む
コメント